斬新「日本の“フェラーリ”」とは? 約700馬力の「V8ツインターボ」&専用“日の丸デザイン”も! “同じ仕様が存在しない”オンリーワンな特別仕様車「J50」に注目!
多くのクルマ好きにとって憧れの存在ともいえる「フェラーリ」には、かつて日本市場限定で販売された非常に珍しいモデルが存在していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
日本だけで特別に誕生した幻のフェラーリ
輸入車と聞くと、まず頭に浮かぶのはその個性や独自性でしょう。
国産車とは異なり、輸入車には各国の文化や伝統が反映されており、趣味性や嗜好性が高いものが多いのが特徴です。
特に、イタリアを代表する高級スポーツカーブランド「フェラーリ」は、多くのクルマ好きにとって憧れの存在です。
これまでに数々の名車を生み出し、日本国内でも数多くのファンを魅了してきました。
そんなフェラーリには、かつて日本市場限定で販売された非常に珍しいモデルが存在していました。

その名は「J50」です。
このモデルは、フェラーリの日本進出50周年を記念して2016年に登場した特別な1台です。
限定生産10台という希少性もあり、瞬く間に注目を集めました。
J50は、フェラーリ「488スパイダー」をベースに開発されました。
488スパイダーは、V型8気筒ツインターボエンジンをミッドシップに搭載したオープントップのスポーツカーで、その性能とデザインは高い評価を受けています。
しかし、J50はその枠を超え、特別なスタイリングとチューニングが施されました。
最大の特徴は、1970年代から1980年代のフェラーリ・ロードカーを思わせる「タルガ・トップ」スタイルです。
通常の488スパイダーとは異なり、J50はルーフを取り外して開放感を楽しめる構造が採用されています。
また、ウインドスクリーンからサイドウインドウにかけて流れる斜めカットのラインが非常に美しく、見る者を魅了します。
さらに、ブラックのスウェッジ・ラインが全体のデザインを引き締めています。
このラインは「288GTO」や「F40」、「F50」など、過去の名車をオマージュしたものであり、フロントノーズからドア後方のエア・インテークまで流れるように続くデザインは、J50のアイデンティティを際立たせています。
インテリアも、外装に負けず劣らず細部にこだわり抜かれています。
専用のスポーツシートは、ヘッドレストに跳ね馬のロゴと「J50」の刺繍が施された特別仕様です。
センターコンソール周りにもJ50専用のデザインが採用されたり、運転席と助手席の背後には、日の丸オマージュの専用プレートも装備されるなど、希少性を感じさせる演出が施されています。
エンジンは488スパイダーと同じ3.9リッターV型8気筒ツインターボを搭載していますが、J50専用にチューニングされ最高出力は670psから690psに向上。
これにより、さらに鋭い加速と高いパフォーマンスを実現しています。
また、J50は、フェラーリ伝統のオーダーメイドプログラム「フォーリ・セリエ」によって、1台1台がオーナーのリクエストに合わせて仕立てられました。
そのため、同じ仕様のJ50は存在しません。
各車がオリジナリティを持ち、それぞれのオーナーの個性を反映した仕上がりとなっています。
当時の販売価格は3億円から3億5000万円程度といわれていましたが、発表と同時に完売しました。
その後、中古車市場に1台だけ姿を見せた際には、なんと4億8000万円という驚きの価格で掲載されました。
フェラーリJ50は、日本市場限定という特別な背景を持ち、非常に高い希少価値を誇ります。
そのメモリアルな存在は、今後さらに市場での価値を高める可能性があります。
フェラーリの歴史に名を刻んだJ50は、単なるクルマ以上の「アート」として今後も語り継がれていくことでしょう。
日本仕様専用車、限定10台って最初から購入者を予め想定して、作るんですよね。客の決まった開発だから一般客には、購入不可の車だよね。