日産「GT-R」まもなく生産終了… またしても「Rの伝説」が消滅へ 「次世代GT-R」はもう出ないのか? 3世代にわたる「歴史的名車」どんな“存在”だったのか

「3世代の歴史」はこれで終わりなのか

 そして1999年1月にBNR34型へとフルモデルチェンジ。

 先代モデルよりもボディはコンパクトになり、エアロパーツや専用チューニングされたサスペンション、アクティブLSDなどで武装し、カタログ上のエンジン出力は同じながらもより洗練されたパフォーマンスを手に入れたのです。

歴代「GT-R」シリーズ
歴代「GT-R」シリーズ

 しかし2002年、惜しまれつつ生産終了。ケンメリ時代の悪夢が蘇る排ガス規制により、いわゆる第2世代GT-Rが終幕を迎えたのです。

 それから5年後の2007年10月、「スカイライン」の車名をなくした「GT-R」(R35型)へと車名を変え、新世代のGT-Rがデビュー。

「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトを掲げ、新開発の3.8リッターV型6気筒ツインターボ「VR38DETT」型エンジン、デュアルクラッチトランスミッションといった当時最新のテクノロジーで武装し、ハイスペックモデルとして新たな道を歩みはじめたのです。

 モデルイヤー制を採用したことによって毎年のように細かな仕様変更を繰り返し、実に18年ものあいだ、現役のマシンとして生産・販売されることとなります。

 そして2024年3月、2025年モデルが発表されましたが、2025年8月に生産終了するとアナウンスされたのです。

 これは、またしてもGT-Rの歴史に終止符が打たれることになることを意味しています。

 ハコスカの時代からGT-Rに接してきた世代のクルマ好きは、そろそろシニア世代かもしれません。

 そして、第2世代GT-Rを所有し、ライバル視し、憧れてきた世代は、今まさに働き盛り。

 現行のGT-Rがデビューした年に生まれた子どもたちは、運転免許を取得できる年齢となりました。

 親子3代でGT-Rの魅力、そして実力を語り合い、共有できる。

 こんなことができるクルマは、世界広しといえどもそうあるものではありません。

 そうなのです。すべて「GT-R」というクルマは、好むと好まざるに関わらず「そこにいてくれなければ困る、圧倒的な存在でなければならない」モデルなのです。

 なお今の日産は、世界で9000人の社員のリストラを予告するほど窮地に追い込まれています。

 残念ながら、GT-Rのような趣味性の高いクルマに注力しているような時期ではないかもしれません。

 新たなGT-Rの可能性を示すものも、2023年10月の「ジャパンモビリティショー」で公開された抽象的なコンセプトカー「ニッサン ハイパーフォース」があったのみ。

 しかし、次世代のクルマ好きのためにも、これまで築いてきた歴史がここで途切れることなく、永遠に続いてくれることを願うばかりです。

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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