夜行バスに「革命」起きる!? 日本初の「横になって眠れるバス」なぜ誕生したのか 「安いけどきつい」イメージ根底から変わる! 高知駅前観光の「寝台」開発のきっかけとは
なぜ今まで「寝台バス」無かった? 突破口となった「きっかけ」は
これまで夜行バスでは、「完全個室」や「座り心地を極めた快適シート」などの上質性を売りにするサービスが各種展開されてきましたが、「完全に横になる」というサービスが生まれないままでした。

梅原社長は「バスにおける寝台というのは、座席として認められない…という認識が、業界に長らくあった」と話しています。
しかし「それは本当にそうなのか?ルールとして明確化されているのか?」という疑問に対して、誰も確認したことがなかったとか。
そこで同社は2018年に、国土交通省に対し、「バスのシートのリクライニング角度は、何度までにしなければならないという取り決めがあるのか」と質問。それに対して「特に無い」という回答があったといいます。
ということは、180度倒せばフルフラット、つまり寝台なのではないか…? というのが、この事業を進めようとしたきっかけだったとのこと。
同社は開発を進め、2023年11月にさいたま市で開催された「第9回 バステクin首都圏」に試作品を出展。
この時、搭載したバス車両を大宮の会場まで回送するため、車検に通る必要がありました。結果は見事合格。つまりこの時から、保安基準では問題ないことが分かっていたといいます。
おりしも、国土交通省の「車両安全対策検討会」で、フルフラット座席の高速バスについて安全性のガイドラインをまとめるという動きが始まりました。
バステクでの試作品発表から、今回の正式発表までは1年以上かかっていますが、それにはこのガイドラインが取りまとめられることが分かっているのであれば、その策定を待って、そのガイドラインに合わせるべきだと判断したからだといいます。
今回開発のキーとなったのは「拡張性」とのこと。ソメイユプロフォンは、短時間で座席~寝台の切り替えが可能であるというのが設計コンセプトです。同じバスで「座席~寝台」を自在に切り替え可能にすることで、「昼間は観光、夜間は移動しながら就寝」という、ホテルを必須としない新たな旅行のあり方を提示することができます。
「ビジネスとしていろいろ展開するポテンシャルがある」と同社が語る、今回完成のフルフラット座席。
「バスで横になって眠る」という悲願の移動方式が、この先普及して「当たり前」になっていくのでしょうか。
Writer: くるまのニュース編集部
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