スズキが「新型ジムニー“ノマド”」を初公開! 270万円の「ロングボディ仕様」発売へ! 存在感ある「5ドアモデル」は“日本専用装備”も採用! どんな特徴がある?
スズキ「ジムニー」シリーズに、待望の5ドア仕様「ジムニーノマド」が設定されました。どのような特徴があるのでしょうか。
シエラより70万円アップ 日本専用装備も多数採用
日本中のユーザーが待ちに待ったスズキ「ジムニー」の5ドア仕様「ジムニーノマド」が、ついに4月から国内でも販売されます。
一体どのような特徴があるのでしょうか。

2023年1月にインドでデビューした「ジムニー5ドア」は、アジア各国やオーストラリアなどで先行して販売されています。
日本でも、従来のジムニーや1.5リッター小型車版「ジムニーシエラ(以下シエラ)」の利便性をさらに高めたロングボディ仕様が求められていましたが、現行型のジムニーシリーズの納車が滞っていたことから、導入が見送られていました。
そして今回、インドでの発表から2年、現行型ジムニーの登場から7年を経て、ようやく5ドア仕様のジムニーノマドが販売されることになったのです。
ジムニーノマドは、海外では単なる“ジムニー”、もしくは“ジムニーXL”といったモデル名で販売されていますが、日本では「ノマド」のサブネームが付けられています。
ノマドとは、かつてスズキが販売していたSUV「エスクード」初代に設定されていた5ドアモデルのマスコットネームで、「遊牧民」の意味。
5ドア化によって使い勝手のいい後席と荷室を実現したこと、ラダーフレームを擁する本格クロカン4WDであることから、その名を継承しています。
日本では一部ユーザーから生産工場を気にする声もありますが、はたしてどうなのでしょうか。
スズキはこれについて、「日本仕様のシエラは湖西工場で造っていますが、ノマドは海外仕様同様にマルチスズキインドのグルガオン工場で生産されて、そこから陸路約1300kmと海路を使って日本に輸入されます」と説明します。
ボディサイズは全長のみシエラと異なり、340mm伸びた3890mmに。さらにリアドアを持ったことで、後席へのアプローチが格段によくなりました。
もちろん後席の居住性も改善しています。後席ヒップポイントを50mm後方にずらすことで、レッグスペースが拡大されました。
「後席ヒップポイントは20mmアップしていますが、これはシートクッションを厚くして座り心地を向上させているためです」と開発スタッフは語ります。
積載性能も大幅にアップしました。211リッター(後席使用時)という空間は、シエラよりも「プラス152リッター」というサイズアップを実現。シエラよりもかなり実用的に使えることを示しています。
搭載パワーユニットは、シエラと同じ1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンの「K15B型」。エンジンスペックも、組み合わされるトランスミッションのギア比もシエラとまったく同一です。
ただし、重量がシエラよりも100kg増加しているので、その対策の一環としてATの強度が高められています。
加えて、ラダーフレームの剛性強化、フロントサスペンションセッティングの見直し、フロントブレーキブレーキのベンチレーテッド化、サブトランスファーから後方のリアプロペラシャフトの大径化などを行っています。
先進安全装備である「スズキセーフティサポート」も進化しました。
センサー部はデュアルカメラとなり、これによりAT車にアダプティブクルーズコントロールが装備されました。また、後方誤発進抑制機能や後退時ブレーキサポートも、AT車の新機能として追加されています。
こうした日本独自の機能に加えて、サイドアンダーミラーが左ミラー下に付いているのも国内仕様らしいところです。
ボディカラーは全6色ですが、オーストラリアで設定されているグレーメタリックはなく、代わりに「セレスティアルブルーパールメタリック」をラインナップ。これもまた日本仕様専用装備ですが、リアゲートの右下に鋳物調の車名エンブレムが付けられています。
ラインナップはワングレードのみで、ATかMTの違いのみ。ただし、一部のカラーは価格が変わってきます。
プライスゾーンは265万1000円〜275万円。196万2400円〜218万3500円のシエラと比べると割高感がありますが、様々な仕様の変更を考えれば納得できる範囲内と言えます。
ジムニーノマドについて、開発スタッフは次のように語ります。
「4人が快適に乗れて、より実用性をアップさせたジムニーノマドですが、ロングボディ化するにあたってジムニーらしい雰囲気を失わないように苦労しました。
全長は340mm長くなっていますが、その長さもさることながら、フロントとリアのドアのバランスを取るのが非常に難しい部分でした。
また走りについても、シエラのドライブフィールからあまりかけ離れないようにセッティングしました。日本仕様は安全装備の機能が先進国向けと充実していますので、そういう部分もご評価いただけるとうれしいです」
デリバリーは4月からですが、すでにシエラを注文しているユーザーから優先的に受注しているようですので、いまからの注文だと半年以上先になるかもしれません。
いずれにせよ日本のユーザーから待ち望まれたジムニーノマド。ジムニー&シエラのように大ヒットの可能性大です。
(2025年2月3日 価格を一部修正しました)
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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