新型「ジムニーノマド」発表! WR-Vやフロンクスは販売好調!? なぜ海外生産? ひと昔前は「海外生産車」敬遠されていた? 日本車メーカーが「逆輸入」する理由とは
いま話題のインドと中国とは
そうした中で今、注目されるのが中国とインドでしょう。
両国とも、20年程前は経済新興国と呼ばれていましたが、いまではIT産業などで世界をリードする先進的な事業を行う国へと成長したことを、日本でも多くの人が認識しているでしょう。
両国とも人口は14億人超えで、人口第三位のアメリカの3億4000万人を大きく凌ぐ巨大国内市場を有しています。
中国については、アメリカを抜いて世界最大の自動車生産・販売国の座にあります。
直近では経済成長が鈍ったとはいえ、政府が描く新エネルギー車政策などよって、EVやレンジエクステンダーの重要拡大を進めているところです。
また、2010年代から徐々に海外輸出へ舵を取り、また2020年代に入ると欧州や東南アジアへの現地工場進出を進めるようになりました。
そうした中で、中国から日本向け輸出について、BYDが日本市場の扉を開けようとしています。
日本メーカーとしても中国から日本への輸出について、さらなる検討が必要なのかもしれません。
現状では、ホンダが「オデッセイ」を中国から輸入しています。

そして、このところ何かと話題なのがインドからの輸入です。
インドのモディ政権は「Make in India」政策を掲げて、自動車を筆頭とした海外メーカーの現地生産拡大を後押ししているところです。
WR-Vの場合、商品戦略と設計をタイの拠点で行い、「東南アジア等向けと日本市場向けを両立させるモデルに仕上げた」(WR-V開発担当者)と言います。
その上で、ホンダのグローバル戦略を考慮した結果、生産はインドで行うことになったのです。
一方でスズキの場合、1980年代からインド進出した知見を活かし、グローバルでの最新生産技術を投入したグジャラート新工場を建設し、日本向けを含めた「フロンクス」を生産しています。
フロンクスの開発責任者は「インド生産車の品質は日本製と同等」と言い切っています。
実際「これまでユーザーや販売店から品質に関する(ネガティブな)声はまったくない」と言います。

また2025年1月30日には先行してインドを皮切りに発売していた「ジムニー5ドア(日本名:ジムニーノマド)」を発表。これもインド向上で生産し、日本に持ってきています。
なおスズキは「インド生産ですが、クオリティチェツクのために最終検査は日本で行っています」と説明しています。
さらに2025年1月17日からニューデリーで開催された現地のモーターショーでは、スズキ初のバッテリーEV「eVITARA(イービターラ)」を世界初公開しました。
グジャラート工場で生産し、2025年夏頃からインド、欧州、そして日本などグローバルで発売となります。
ひと昔前とは大きく違う、高い品質とADASなど最新装備を持ち、また日本の道に合わせた走りのチューニングも施した海外生産された各メーカーの日本車が今後、続々と日本に輸入されることが予想されます。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。



















































