名神「米原JCT」何と読む?「まいばら」ではありません! じゃあ「よねはら」!?…歴史に振り回された「謎の地名」の真相は
名神高速と北陸道が接続するのが「米原ジャンクション」です。新幹線の駅名にもありますが、実は米原JCTの読み方は「まいばら」ではありません。一体どういうことなのでしょうか。
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名神高速と北陸道が接続するのが「米原ジャンクション」です。
新幹線の駅名にもありますが、実は米原JCTの読み方は「まいばら」ではありません。一体どういうことなのでしょうか。
中部地方と近畿地方のあいだには、南北にそびえ立つ「鈴鹿山脈」があり、移動ルートが限られていました。
その中のひとつが、関ヶ原を越えて米原に到達するもの。古来から「中山道」「北陸道」の街道結節点で、鉄道も東海道本線と北陸本線が米原駅で接続しています。
さて、JRの米原駅は「まいばら」で、所在地である米原市も「まいばらし」です。
しかし、高速道路の場合は読み方が異なっています。それは「まいはら」です。
米原JCTも、北陸道の米原ICも、同じく「Maihara」という読みが表記されています。一体なぜ読み方が違っているのでしょうか。
実は、古くから使われていた読み方は「まいはら」という「濁らない読み」なのです。近代的な行政システムが整備された明治の町村制施行以降、この地にあった地名は一貫して「まいはら」でした。
しかし、ここにやってきた鉄道駅は「まいばら」でした。江戸時代からあった米原村は1889年に合併で消えてしまいますが、同じ年に米原駅が開通しています。近代日本の始まりの時期から、すでに「まいはら」「まいばら」の違いが生まれていたようです。
米原駅の開業は、名古屋・岐阜方面から京都・大阪方面の鉄道がつながった瞬間でした。それまでは関ヶ原からいったん長浜へ直行し(廃ルート。現在の国道365号付近)、長浜から船で大津まで行くしかありませんでした。
1964年に東海道新幹線が開業すると、いよいよ「米原=まいばら」は全国的な知名度を誇るようになりました。
遅れること16年、北陸自動車道が延伸して、名神高速と接続することになり、「米原JCT」「米原IC」が設置されることとなります。
この時は鉄道と同じく「まいばらジャンクション」と、読み方が濁っていました。
しかし、2001年に「まいはら」に変更されます。理由は、所在地の正式な読み方に合わせたというもの。
ところが、わずか4年後に、平成の大合併で、米原町・伊吹町・山東町が合併して「米原市」が誕生。
この米原市は「鉄道駅の読み方に合わせる」という理由で「まいばら」になってしまいました。
高速道路のほうは特に再変更もせず、「まいはら」のままになっているのです。
あちらに合わせれば、あちらが変わる…いろいろな社会事情に振り回された結果が、「米原JCT」「米原IC」の不思議な読み方です。
※ ※ ※
ちなみに、米原という地名そのものの由来は、米原市によるとヨシが生い茂っていることから「迷いが原(まよいがはら)」という一説を紹介しています。
しかし、古文書では地方豪族として「よねはら」という標記がはっきり書かれていることから、いつからか漢字の読み方が変わってしまったのだろうとも言われています。もしかすると、今でも「よねはらJCT」になっていたかもしれません。
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