斬新「NDロードスターターボ!?」あった!? 超パワフルな「ターボエンジン」&“6速MT”搭載! わずか4年で消えた“独自デザイン”も素敵なアバルト「124スパイダー」とは?
NA(自然吸気)エンジンをオープンエアで楽しめる魅力を持つマツダ「ロードスター」ですが、同車をベースとしたターボモデルが存在していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
NDロードスターを基としたターボモデルとは?
マツダ「ロードスター」といえばNA(自然吸気)エンジンを搭載するクルマです。
NAエンジンならではの軽やかなレスポンスとフィーリングを、オープンエアで楽しめることこそ、ロードスター最大の魅力といえるでしょう。
そんなロードスターをベースとしたターボモデルが、かつて4年間だけ存在していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは、2016年から2020年までアバルトが展開していた「124スパイダー」です。
同車は、フィアットのハイパフォーマンスブランドであるアバルトが手がけたオープントップのスポーツカーです。
1966年に初登場したクラシックなフィアット124スパイダーへのオマージュとして登場したフィアットの新たな124スパイダーをベースに、アバルト流のエッセンスを加えることで、高性能と独自のスタイルを実現しています。
ボディにはロードスター(ND型)と共通のプラットフォームを採用。
ほかにも共有しているパーツは多々あることから、生産はロードスターと同じく広島のマツダ工場で行われていました。
ボディサイズは全長4060mm×全幅1740mm×全高1240mm、ホイールベースは2310mmと、ベースのロードスター(全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mm、ホイールベース2310mm)と比較すると少しワイドかつ背が高くなり、ホイールベースは同じことから前後のオーバーハングが延長されているといった違いがあります。
エクステリアは、クラシックなフィアット124スパイダーの要素を現代風にアレンジし、さらにアバルトのエッセンスとしてアグレッシブなデザインが与えられています。
フロントフェイスには大きなアバルトのサソリエンブレムが配置され、攻撃的な印象に。
また、ボンネットにはブラックのアクセントが施され、伝統的なレーシングカーの雰囲気を醸し出しています。
リアにはデュアルエキゾーストパイプが装備され、エンジンの存在感を視覚的にも強調。
全体的に洗練されつつも遊び心のあるデザインとなっています。
足回りには17インチホイールを履くほか、ビルシュタイン製ダンパーや高性能なブレンボ製ブレーキを採用し、日常のドライブからワインディングロードまで、多彩なシチュエーションでドライバーを楽しませてくれます。
インテリアはロードスターに準じたドライバー中心に設計されており、スポーティな雰囲気が漂います。
シートは高いホールド性を持つレザーとアルカンターラのコンビ素材が使用され、長時間の運転でも快適です。
ステアリングホイールやシフトノブには赤いアクセントが施され、アバルトらしいドライバーをやる気にさせる要素が感じられます。
インフォテインメントシステムは当時の「マツダコネクト」をほぼそのまま踏襲したものを採用。
ロータリコマンダーやタッチパネル機能を併用する7インチのタッチスクリーンディスプレイなど、同じものが装備されていました。
パワートレインには、ロードスターと全く異なるフィアット製の1.4リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。
最大170ps・最大トルク250Nmと、2リッターエンジン搭載の「ロードスターRF」(最大184ps・最大トルク250Nm)を凌駕するトルクを発揮し、低回転域から力強くかつ俊敏な加速をみせます。
トランスミッションは6速MTまたは6速ATが設定されており、駆動方式はFRです。
なお新車価格(消費税込)は388万8000円から437万4000円で販売されていました。
そんなアバルト124スパイダーはすでに生産を終了していますが、その魅力は色褪せることがなく、中古市場でも根強い人気を保っており、なかには当時の新車価格以上で販売されている個体も存在しています。
アバルトブランドならではの独自性が光るこのモデルは、運転の楽しみと個性を重視するドライバーにとって、かなり有効的な選択肢だと言えるでしょう。