ガソリンスタンド最大の謎? 全国どこでも「屋根がフラット」な不思議 「普通の家屋」のような「三角屋根」になっていない理由とは
全国どこでも、ガソリンスタンドの屋根は真っ平らです。どうしてそうなっているのか、その背景に迫ります。
平らな屋根に隠された工夫とは
全国津々浦々、どこのガソリンスタンドも屋根が真っ平らなことに不思議さを感じたことはありませんか?
なぜ、ガソリンスタンドの屋根が真っ平らなのか、その謎を紐解いてみましょう。
ガソリンスタンドの構造については「危険物の規制に関する政令(略称:危政令)」で厳格に定められています。
ガソリンスタンドの屋根は建築用語で「キャノピー」と呼ばれており、その高さは5.6m以上としなければなりません。これは、大型車両の出入りを考慮した高さとしている様子です。
また、キャノピーの柱が給油機器から60cm四方以内にあるときは、耐油素材を使用することが定められています。
キャノピーを始めとする建築物は、耐火構造ないしは不燃材料で造ること、窓や出入り口は防火設備とすることも決められています。
ちなみに建築物の用途は、給油とその付帯業務に限定され、延べ面積は300m2以下という基準になっていましたが、規制緩和がありコンビニやカフェなどの店舗が併設できるようになり、条件付きで300m2以上の建築物も可能となりました。ただ、医療施設や、宿泊施設、カラオケボックスなど万が一火災が発生したときの逃げ遅れが発生しやすい業種は認められていません。
このほか、クルマの出入り時の事故防止と火災発生時の周囲への影響を防ぐために、「間口10m以上、奥行き6m以上の「給油空地」を確保し、かつその床は燃料等が浸透しない構造とすること、およびクルマが出入りする側以外は、火災発生時の隣接建物への延焼を防ぐため、高さ2m以上の耐火構造ないしは不燃材料の塀または壁を設置する必要があることなどが定められています。
前述以外にも、ガソリンスタンドの構造についての基準が細かく定められていますが、その目的は防災・安全と火災発生時の被害を最小限に食い止めるものとなっています。
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