「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは

夕暮れから夜間の安全運転に欠かせないハイビーム。警察庁では周囲を確認しやすいため事故防止策としてハイビームを推奨しています。しかし、使い方を誤ると他のドライバーや歩行者に危険を及ぼします。正しい使い方とその効果とは。

適切なライトで快適な運転を!

 夕暮れや夜間運転時、対向車の「ハイビーム(走行用前照灯)」をまぶしく感じたことがあると思います。
 
 実際ハイビームは、ドライバーの視界を確保するために重要な役割を果たしていますが、誤った使い方は危険を招き、場合によっては「違反点・反則金」の対象となることもあります。

まぶしい! と困惑する声も多い「ハイビーム問題」
まぶしい! と困惑する声も多い「ハイビーム問題」

 ネット上では「対向車のライト眩(まぶ)しすぎる!」「ハイビーム使うな!」などの声が多くあがっています。

 しかし警視庁は、周囲を確認しやすいため事故防止策としてハイビームを推奨しています。

 警察庁の「平成29年上半期における交通死亡事故の特徴」では、ハイビームを活用したことによる事故抑止効果を公表しており、半数以上がハイビームの場合に衝突を回避出来た可能性があったようです。

 さらに全日本交通安全協会(以下、全安協)が編集・発行する「交通教本」によると、「交通事故は夕暮れや夜間に多く発生している」「ハイビームを使用することで歩行者や自転車を遠くから発見でき早期の事故回避措置が可能」と記されています。

 ハイビームは、前方を遠くまで明るく照らすための車両のライト設定です。

 夜間や視界が悪い場所で、路上の障害物や標識、歩行者を早期に発見できるよう設計されています。

 ヘッドライトの照射距離は、ロービームで約40メートルまで、ハイビームでは2倍以上の約100メートル先まで照らすことができるといいます。

 ハイビームが推奨される場面としては、「街灯がない郊外や山間部の道路」「対向車や前を走る車両がいない状況」「視界が悪く、路面状況が不明瞭な場所」などが挙げられます。

 一方で、ハイビームは遠くまで照射できる反面、不適切に使用すると他のドライバーや歩行者に迷惑をかけたり、事故につながる場合があります。

 例えば、対向車や先行車両のバックミラーにハイビームのように強い光が当たると、相手の視界を奪ってしまい、事故の原因となります。

 そのため、対向車が約100メートルから200メートル以内に接近している場合や、先行車両に追従している場合は、ロービームに切り替えて走行することが求められます。

 また、歩行者や自転車は、ハイビームの光で驚くことがあります。人がいると分かったら、すぐにロービームに切り替えることが大切です。

 雨や霧、雪の日には、ハイビームが光を拡散させ、逆に視界が悪化する場合があります。このような状況では、ロービームが推奨されます。

 近年では、先進技術の進歩により、多くの車両に「オートハイビーム」などと呼ばれる自動切り替え機能が搭載されています。

 この機能は、センサーによって周囲の明るさや他の車両を検知し、自動的にハイビームとロービームを切り替えてくれるものです。

 こうした先進技術や機能を活用し、ハイビームとロービームを適切に使い分け、安全で快適な運転を心がけることが大切です。

 また、近年では純正ライト類にLEDライトの採用が普及しています。

 LEDライトは、LEDは従来のハロゲンと比べると白色の光となり見えやすく、デザインの自由度が上がる利点があります。

 反面でLED照明は特定方向に集中して光が出るため、余計に眩しさを感じるようになった要因だともいえます。

 さらにデイライトが義務付けされたことで、これまでヘッドライトとフォグ、ウインカーだけだった光源が増えたことにより、全部が点灯した際の眩しさは増す傾向にあります。

※ ※ ※

 日本の道路交通法では、ハイビームやロービームの適切な使用を怠った場合、罰金や違反点数が科される場合があります。

 対向車や先行車がいるのにハイビームを使用し続ける、必要な時に前照灯を適切に使用しない場合には「車両等の灯火不適切使用」となり、違反点数1点、反則金が普通車で6000円、大型車で7000円、二輪車で5000円です。

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