“渋滞都市”京都が大変化!? 壮大な「堀川通バイパストンネル」計画が進行中 悲願の「信号ゼロ」実現までどこまで進んだのか
京都市中心部を南北に貫く大動脈「堀川通」に「信号ゼロ」を実現する「バイパストンネル」計画があります。進展はどうなっているのでしょうか。
京都市内の道路事情に大変化!?
京都市中心部を南北に貫く大動脈が「堀川通」です。
とにかく朝夕など慢性的な渋滞に悩まされている京都中心部にあって、この堀川通に「信号ゼロ」を実現する「バイパストンネル」計画があります。
堀川通は京都中心部の中でも数少ない、郊外まで丸ごと市街を貫くため、重宝される存在。京都駅へのアクセスも便利で、南下すればそのまま第二京阪道路になります。いっぽうすぐ東側の「烏丸通」は京都駅で分断され、西大路通は西に離れすぎています。そのほかは生活道路の域を出ません。
そんな堀川通は、もともと川だったところに作った経緯もあり、最大8車線という大通りっぷりです。
しかし最大の欠点が、京都市特有の「碁盤の目」であることによる「信号だらけ」状態です。2018年の調査では、北行きは朝8~10時台、南行きは17時をピークに昼過ぎから渋滞が激しくなっています。
特にひどいのが「四条堀川」、国道9号(五条通)と接続する「堀川五条」、そしてJRを越える塩小路通~十条通の区間です。堀川塩小路では南行きが朝から晩まで延々と渋滞している状況です。
根本解決策は立体交差です。高架で越えるか、地下を抜けることで、信号をスルーする構造です。堀川通の道幅も都合良く、スペースには余裕があるといえます。京都市では景観への配慮などで、昔からトンネル案が前提で構想されてきました。
実現すれば、第二京阪道路の「京都中心部直通」となり、観光客を苦しめた「そもそも洛中に入るまでが果てしない」という状況が改善され、大阪方面からいきなり二条城や金閣寺まで直行することができるようになります。
この「堀川通バイパストンネル」は2021年に国が策定した「新広域道路交通計画」にも記載され、調査路線として生きています。この計画図ではとりあえずJRをくぐる部分と、堀川五条をクリアすればいいという考え方で、調査ラインは国道9号(堀川五条)が北端となっています。
「堀川通は、もともと川だったところに作った経緯もあり、最大8車線という大通り」
ここは間違いです。
堀川通にある堀川はとても細い川で、現在最大8車線もの幅があるのは太平洋戦争末期に空襲による延焼防止のための建物疎開が行われた結果です。