新車で125万円安い! トヨタ「アルファード“X”」がスゴい! 待望の「8人乗り最安モデル」はめちゃ「お手頃」で日常使いOK! 新しい「低価格モデル」は買いなのか

トヨタ「アルファード」に、これまでより125万円安い「X」グレードが追加され話題となっています。はたしてどんな仕様なのでしょうか。

ハイブリッド車なのにガソリン車よりも安い!? アルファード「X」とは

 トヨタの高級ミニバン「アルファード」に2025年1月、「X」グレードが新たに追加されました。2WDで510万円(消費税込み、以下同)と、635万円のハイブリッド「Z」(2WD)より125万円安、555万円のガソリン「Z」(2WD)よりも45万円安な「低価格設定」が話題を呼んでいます。
 
 果たしてこの新グレードは「買い」なのでしょうか。

高級ミニバン「アルファード」に「8人乗り“X”」新設定![画像は「G“サイドリフトアップチルトシート装着車”」]
高級ミニバン「アルファード」に「8人乗り“X”」新設定![画像は「G“サイドリフトアップチルトシート装着車”」]

 絶大な人気を誇るアルファード。2023年6月に登場した現行モデルは、デビュー直後に納期が2年を超えるほどの注文が殺到しました。

 2025年4月現在、納期はもう少し短くなってきているといいますが、月間約8200台(2024年10月から2025年3月の6か月間の平均)を登録するなど、いまも圧倒的な人気を維持しています。

 そんなアルファードですが、2025年1月7日には改良モデルを発売。標準装備アイテムの見直しや、室内空間の快適性をさらに引き上げるなどが行われました。

 同時にハイブリッド車に8人乗りのXグレードが追加されました。

 Xグレードの最大の特徴はその価格です。

 車両本体価格は2WDで510万円。E-Four(4WD)であっても532万円と、ガソリン2WD(ガソリン車はZグレードのみ)の555万円よりも低価格を実現しています。

 そんなXグレードは、装備品を絞った廉価版という位置づけ。

 たとえばエクステリアでは、3眼LEDヘッドライトをマニュアルレベリング(通常はオートレベリング)化したり、シーケンシャルターンランプやフォグランプの廃止、ホイールもシンプルなデザインの17インチを採用し、ボディカラーも人気の「プラチナホワイトパールマイカ」と「ブラック」の2色に限定しています。

 インテリアも、ダッシュボード素材を合成皮革からグラファイトメッシュパターンの樹脂製となっていたり、フロントドアやスライドドア、リアクォーターのドアトリムも樹脂製へと変更。

 シート地も、Zグレードの合成皮革に対しファブリックとなります。

 標準装備となるディスプレイオーディオも14インチから9.8インチへサイズダウンされ、ムーンルーフやパワーバックドアも設定されていません。

 一方、最も大きな特徴であるセカンドシートは、ほかのアルファードでは選択できない3人掛けシートを採用しています。

 6:4分割が可能で、さらに座席の座面を跳ね上げて固定できるチップアップ機能付きなので、3列目シートも跳ね上げて畳めば広い荷室空間をつくることもできます。

 キャプテンシート仕様の他グレードよりも、このほうが使い勝手がよいと感じる人も少なくないでしょう。

 先に廉価版と記しましたが、運転支援技術の「トヨタ セーフティセンス」は標準装備され、プリクラッシュセーフティや全車速追従型レーダークルーズコントロール、パノラミックビューモニター、デジタルインナーミラーなどはしっかりと備わっています。

 そのほか、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)、前席左右・前後独立温度コントロールフルオートエアコンなどの快適・便利装備もひと通り揃っているのは、さすが高級ミニバンといったところでしょう。

 パワートレインは通常のハイブリッド車と同様の2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのTHS-IIを搭載していますが、上級グレードよりも車重が軽いため燃費がよく、2WDが18.9km/L、E-Fourは17.5km/Lを達成しています。

 ちなみにハイブリッドのZグレードは、2WDが17.7km/L、E-Fourは16.7km/Lです。

 これまではミドルグレードのZグレードと、最上級の「エグゼクティブラウンジ」が主流だったアルファードですが、様々な用途に使える新たなグレードがようやく登場したことになります。

 しかも、ガソリン、HEV、PHEVを含めたアルファード全グレードのうち、8人乗り仕様はこのXグレードのみ。

 アルファードをリーズナブルに手に入れたいという人や、会社の移動車として導入したい人、大きなモノを運ぶ機会が多い人、家族の多い人など、アルファード Xは多用途向けのミニバンとしてかなりいい選択肢なのではないでしょうか。

※ ※ ※

 アルファードの販売動向に詳しい中古車買取り専門店の担当者は、次のように話します。

「2025年4月時点で、アルファード ハイブリッドで人気なのはZグレードです。将来の下取りを考えても、Xグレードは主流のZグレードよりも残価率は下がる可能性はあります。

 ただ今後の売れ行き次第では、相場動向はガラリと変わる可能性も否定できません」

 アイテムを簡素化したとはいえ、Xグレードも必要十分な内容を備えています。

 現行アルファードの中で、Xグレードは「もっとも使える仕様」だといってよいでしょう。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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