2024全日本ラリーがついに終幕! Rd.8の「M.C.S.C.ハイランドマスターズ」を制したのは そしてシリーズチャンピオンは誰の手に!?
新井・松尾組とコバライネン・北川組が激しいトップ争い
LEG1は朝から雨が降り続くあいにくの天気となりました。チャンピオンコンビとなった新井・松尾組は、来月に迫ったWRCラリージャパンに向けてさまざまなセッティングを試しながらも好調な走りを見せます。
SS5牛牧上り終了時点で2位のヘイキ・コバライネン・北川紗衣組に11.6秒のリードを築きましたが、LEG1最終のSS6アルコピア-無数河で新井・松尾組がスピンを喫し、コバライネン・北川組が逆転に成功します。「雨のセッティングから足をどんどん硬くしてみたらスピンしました」と語る新井選手ですが、ラリージャパンに向けての手応えは感じているようでした。
M.C.S.C.ハイランドマスターズを制したのは?
LEG1を2位の新井・松尾組に3.9秒の差をつけ首位で終えたコバライネン・北川組は、その勢いのままLEG2の1本目のSS7をステージベストで終え、新井・松尾組との差を4.9秒に広げます。しかし、SS8と9と連続ベストを奪取した新井・松尾組がチャンピオンの意地を見せ逆転に成功します。
サービスを挟んで2ループ目1本目のSS10ではコバライネン・北川組がベストを記録し、トップの新井・松尾組に1.3秒差まで迫る好バトルを繰り広げます。事態が動いたのはSS11でした。
新井・松尾組のファビアR5がスローパンクチャーでタイムを落とす一方、コバライネン・北川組はベストタイムで新井・松尾組との差を6.3秒まで広げます。続く最終のSS12では新井・松尾組はターボパイプが抜けてしまい勝負あり。コバライネン・北川組が今シーズン初優勝を飾りました。
「ヒロキは速かったけど、優勝できてうれしいよ。ラリージャパンに向けていい感触もつかめたしね」と笑顔で語ってくれました。
Rally2車両を相手に苦戦が続くJP4仕様WRX S4の新井敏弘・井上草汰組は、雨のセッティングが決まり、1ループ目を3位と善戦しますが、午後の2ループ目はタイムを落としてしまいLEG1を4位で終えました。純レーシングマシンとも言えるRally2車両と、大幅な改造が許されるとはいえ市販車ベースのJP4で最も大きな差は車重でしょう。
排気量はWRX S4の方が大きいものの重量差はいかんともし難く、Rally2車両との差はなかなか埋まりません。
JN4クラスでは内藤学武・大高徹也組が大健闘!
スイフトスポーツでJN4クラスに参戦する内藤学武・大高徹也組は、上位クラスのJN3はおろか、JN2勢にも割って入る勢いを見せ、LEG1全てのステージでベストタイムを記録します。
内藤選手は免許を取得後にジムカーナからモータースポーツを開始します。その後、2010年に群馬ラリーシリーズからラリーを始め、参戦当初からその才能を発揮。その後は順調にステップアップし全日本ラリーに参戦を開始します。しかし、全日本の壁は厚く、速さは見せるもチャンピオン獲得にはあと一歩というシーズンが続きましたが、2023年にJN4クラスで念願のチャンピオンを獲得します。
LEG2も絶好調の内藤・大高組は、2日間を通して全てのステージでベストタイムを記録するパーフェクトウィンで、2年連続のJN4クラスチャンピオンを決めました。
2025全日本ラリーは奈良県でも開催へ!
かつて2輪の世界では全日本とWGPでは仕様の差こそあれど基本的には同じマシンを走らせていました。少なくとも道具に関しては日本と世界がつながっていたと言えるでしょう。当時の日本人選手がWGPで大活躍を見せたのはこのあたりにも理由があるはずです。
現在では全日本選手権で走らせるマシンとMotoGPで走らせるマシンはまるで違うものになりました。ラリーも同じで、国内戦を走るラリー車はそのままではほとんどの海外のラリーに参戦できません。
ですが、トップカテゴリーのJN1クラスだけとは言え、R規定のラリー車が国内を走れるようになったおかげで道具は再び世界とつながったのです。昨今の経済事情などマイナス要素はいっぱいあるけれど、全日本ラリーから世界選手権で活躍する選手がもっと現れることを願ってやみません。
来年の全日本ラリーのカレンダーはすでに発表されており、新たに奈良県での開催が決まりました。1990年代までは奈良でも開催されていましたが、しばらく途絶えていた奈良でのラリー開催となります。
レースと比較すると分かりにくい部分も多いラリーですが、難しいことは抜きにして公道で開催される日本で最高峰の争いにぜひとも興味を持っていただきたいと思います。
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