ちょっと古いクルマから聞こえる「キュルキュル音」は何? まさか「エンジンの悲鳴」とか!? 「“謎”異音」の正体とは
ちょっと古いクルマから「キュルキュル」という異音が発生していることがありますが、原因は何なのでしょうか。対処方法について解説します。
「キュルキュル」異音の発生はどこから!?
朝方の冷え込みが厳しくなってくると、エンジンを掛けた後「キュルキュル」という異音が発生することがあります。また走行中の車両が同様の異音を発生させながら走っているケースもみられます。
さてこの異音はいったいどこから発生しているのでしょうか。
キュルキュルと異音が発生するパーツは、ほとんどの場合エンジンの「ベルト」です。
ベルトには「ファンベルト」「補機ベルト」「エアコンベルト」「オルタネーターベルト」「Vベルト」などとさまざまな呼び名があります。
Vベルトとは、ベルトの断面が台形で内周側より外周側の幅が広くなった形状を持つ動力伝達装置の構成部品のことをいいます。
断面は台形ですがV字型になっているためそう呼ばれており、家電製品をはじめあらゆる工業製品に採用されています。
なお最近のクルマのベルトは高性能・高耐久性を考えて、断面が歯車を直線にした形状を内側に持つものが主流になっています。
そんなクルマのベルトを、かつては「ファンベルト」と総称しており、いまも一般的に呼ばれています。
当時は縦置きエンジンが多く、エンジンの出力軸の方向の先にラジエーターと冷却用ファンが位置する構造でした。エンジン回転をVベルトを通してファンを回していたことから「ファンベルト」と呼ばれていたのです。
最近のクルマの大半は横置きエンジンです。
構造上、エンジン出力軸の回転方向とファンの回転方向が90度になり、ベルトによる動力伝達もできなくはありませんが、構造が複雑・不効率になることと、冷却用ファンは電気モーターを使用したほうが効率が良くなることから、ファンベルトを採用するクルマは激減しました。
ただエンジンが縦置きでも横置きでも、ファンがモーター駆動であろうとなかろうと、エアコンのコンプレッサーやオルタネーター(発電機)などの補機類にエンジンの回転力を伝達するものとして、どんなクルマにもファンベルトは付いています。
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