1000馬力超え! スバル「“和製”スーパーカー」がスゴイ! 斬新フォルムの“めちゃ速”マシン「STI E-RA」とは
世界のメーカーが目指す「ニュル最速のEV」にスバルも挑戦!
STI E-RAが目標とするニュルブルクリンクでは、EVによるタイムアタック合戦の火蓋が切られています。
テスラ「モデルS」が2023年6月4日に7分25秒231という市販EV最速記録を樹立すると、続いてハイパーEVメーカーのリマックが同年8月に「ネヴェーラ」で7分05秒298を叩き出し、市販EV最速の座を得ました。
ちなみにネヴェーラの総合出力は2000psで、四輪全てにモーターを備えています。
ちなみにポルシェも「タイカン」でアタックをしており、2024年1月に7分07秒55というタイムを記録しています。
こうした世界の名だたるメーカーの記録を大きく更新する“6分40秒”という目標タイムの壁は、なかなかに高いと言えるでしょう。
前述の通り、STIは2023年以降にニュルのタイムアタックを目指すとしていましたが、2024年9月現在までSTI E-RAの更新情報はありません。
ただいっぽうで「開発を中止した」との発表もないので、いまも開発が続けられていると思われます。
その後の発表がない理由は、一体どこにあるのでしょう。
現在の技術で、総合1000psを発揮できるシステム自体を作ることは可能かもしれませんが、それに供給するエネルギー源が問題なのではないでしょうか。
1000psの高出力を発揮するシステムが、たとえば目標タイムの7分弱だけ持てばそれで良いというものでもなく、さらにコース上で前後左右にかかる強烈なGに耐えられるのかも大きな課題と考えられます。
障害となる主な要因としてまず予想されるのは「バッテリー」ではないでしょうか。
そんな重要なエネルギー源を、既存の技術であるリチウムイオンバッテリーではなく、次世代バッテリーとして現在も開発が進む最新技術の「全固体電池」搭載を前提としているとしたら、未発表な理由も納得がいきます。
スバルはトヨタ自動車の傘下ですが、そのトヨタは全固体電池を搭載したEVを2026年に発表するとリリースしており、スバルもそれを採用する可能性があります。
全固体電池は、現在主流の液体式リチウムイオンバッテリーよりも劣化が少なく、高温・低温にも耐えられ長寿命と言われています。
さらに充電時間が速く、設計時の形状の自由度も高いというメリットも持っています。
ただ“バカっ速”のEVを作るだけではなく、FIAの基準に準拠したハイパーEVを作ることが目標なら、全固体電池はレーシングEVと相性が良いと言えるでしょう。
耐久性・安全性が高いうえに充電時間も短いとなれば、レーシングカーとして実践的となり、それこそスバルが現在ワークス参戦中の国内レース「スーパー耐久シリーズ」で走らせることも不可能ではありません。
E-RAの進捗はまったく明らかにされていませんが、世界を驚かせる新世代EVとして開発中であることを願います。
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[筆者:磐城 蟻光]
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