ホンダ「コンパクトSUV」が“走り系モデル”に進化!? 新開発の「サスキット」スゴい! 無限カスタムの「ヴェゼル」の実力は?
ホンダ車のアフタパーツを手掛ける無限は「ヴェゼル(前期型)」のサスキットを発売する予定です。ヴェゼルの走りはどのように変化するのでしょうか。
無限のサスキットを装着した「ヴェゼル」どんな走り?
「無限(ムゲン)」というと、国内最高のハコ車のレースである「スーパーGT」をはじめ、国内フォーミュラーの最高峰となる「スーパーフォーミュラー」といった各カテゴリーで活躍するほか、かつてはF1にも参戦していたイメージもあってレースを戦う集団という印象が強いかもしれません。
また「シビックMUGEN RR」や「CR-Z MUGEN RZ」など市販コンプリートカーを思い浮かべる人もいるでしょう。
その一方で無限は、レース用から公道用まで多様なカスタマイズパーツを送り出すアフターパーツメーカーとしての一面も持っています。
実は、そんな無限の市販車用カスタマイズパーツはディーラーで買うことが可能。純正品の扱いではありませんが、ディーラーで購入や取り付けができ、新車時に装着すれば新車ローンに組み込むこともできます。
また、中古で買ったホンダ車やすでに乗っているホンダ車にもディーラーを通じての購入・取り付けが可能となっており、そう聞くと、イメージよりもずっと身近に感じる人もいることでしょう。
無限パーツでは、エアロパーツやホイールといったクルマのスタイリングを大きく変えるアイテムをはじめ、「パフォーマンスダンパー」「スポーツサスペンション」といった走行性能を高めるアイテムも用意。
さらにカーボン調の「ドアハンドルプロテクター」やステンレス製の「ナンバープレートボルト」といった小物もラインナップしています。
そして無限は、ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」サスキットを市販する予定です。
ヴェゼルは2024年4月のマイナーチェンジしましたが、サスキットはマイチェン前の「前期型」に開発されたもの。今回は、開発最終段階のサスキットを装着した車両に試乗してみました。
バネ(スプリング)とダンパーで構成するキットは、スプリングレートをややアップしつつそれにあわせたダンパーの減衰力とし、装着することで車高は約15mmダウン。
もちろんそれら変更が、先進安全機能「ホンダセンシング」には影響を与えない範囲としているのは言うまでもないでしょう。
気になる走りは、“走りの無限”と考えると「あれれ?」と思うかもしれません。ハードな乗り心地を予想しつつ走り出すと、それを覆す快適性なのです。良い方向で、イメージを裏切るのです。
もちろん、路面から伝わるコツコツは少し増えており、ノーマルと同様とかノーマルよりも乗り心地が良くなるといったことはありません。
しかし、これなら「家族からのクレームは全く心配しなくていい」と断言できる快適さをしっかり備えた味付け。言われなければ乗り心地の変化に気が付かないほどです。
一方で走りはやはり無限。ハンドリングはステアリング切り始めの反応がシャープになり、地に足が付いた感じというか、高速域の安定感も増します。もともとハンドリングの良いヴェゼルですが、より楽しい味付けだと感じました。
個人的にはこのスポーツサスペンションは、新車購入時に取り付けるよりも、ある程度純正の走りを楽しんだ後に装着して“味変”を楽しむのがおススメです。
また、走行距離が増えてサスペンションのヘタりを感じたときに、純正から交換するのもいいでしょう。適合するのはヴェゼル e:HEV(ハイブリッド)のFFと4WDです。
おそらく、マイナーチェンジ後の新型ヴェゼルのオーナーは、「どうして前期モデルのみで最新モデル用がないか?」というが気になるところでしょう。そこには無限の商品開発に対する本気と真面目さが影響しています。
仕様を決める際には膨大なテストやチェックが必要で、最新モデルには時間をかけないと対応できないのです。今後、マイナーチェンジモデル用の商品が登場するのを期待しつつ待ちましょう。
ちなみに試乗車には「スポーツサイレンサー」が装着されていましたが、こちらも音に関しては意外な印象。アイドリングなどはノーマルと変わらないほど静かなのです。
そしてエンジン回転数が高まると、軽快な高音が響いて美しい音を奏でくれるので、そこでは交換したことを感じられるでしょう。ただし、うるさくはありません。
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