6速MT搭載! ホンダ新型「ホットハッチ」初公開! 日本復活した「走りのRS」シフトチェンジの“楽しさ”を「最速試乗」で確認! 最強仕様「タイプR」との違いとは?
試乗して驚いた! 新型「シビックRS」の“走り”
では、実際のドライバビリティはどうか。
まず感じたのは、シビックの安心感はそのままに、ターンインではスッと向きを変える軽快感です。
シビックは標準タイプでもシャシーのポテンシャルが高く、旋回中のライントレース性(ドライバーが狙った走行ラインをしっかりと通るハンドリング)が特徴。
奥が深く回り込むコーナーでもアンダーステアが顔を出さない安定感に驚きます。
RSは、そんな懐の深い操縦性はそのままに、ちょっとだけ挙動がシャープになった印象。
曲がり始めでよりスッと向きを変えるようになりました。ちなみに車高は5mmダウンしています。
ハンドル操作の反応が俊敏になり、ひときわ爽快な運転感覚としつつ、絶妙だと思うのはクイックにはなりすぎていない味付け。
ノーマルのバランスの良さに、スポーティなフレーバーを追加したような感覚といえば分かりやすいでしょうか。
またエンジンレスポンスの向上に加えて、アクセルオフ時の回転落ちが早くなったことでシフトアップ時のつながりが良くなり、加速が爽快になりました。
加えてコーナー手前でのシフトダウン時は、ヒール&トゥが決まりやすくなったことを実感します。「スッ!」と決まりますよ。
シフト操作といえば、クランク状に曲げたシフトレバー(見えている部分ではわからない)を組み合わせることで、シフトレバーがドライバー側に少し傾いているのもRSのポイント。これもシフト操作性を高めるためです。
組み合させるシフトノブも、「S2000」や「S660」用に似ている専用品(北米向け「Si」と共通)で、質感とタッチが良好。コックピットをスポーティに演出しています。
そんなRSは、Type Rのように気合を入れてサーキットを走るためのクルマではありません。
しかし、標準仕様の安定感は持ちつつ、気持ちよく走れるようになったことが実感できました。
クルマ全体を通して思ったのは「やりすぎない絶妙なサジ加減」ということ。
スポーティだけど体育会系過ぎない、本格スポーツシューズではなくスニーカーの様に気軽に付き合えるキャラクターです。乗り心地も含めてそう実感しました。
※ ※ ※
なお、シビックはRS登場と同時にマイナーチェンジを実施。外観上はフロントバンパーの形状がリファインされたほか、先進安全装備の機能向上、ナビをはじめとするインフォテイメントシステムの刷新(Googleのシステムを採用)、オートブレーキホールドのメモリー機能(エンジン再始動後も前回の状態をキープする)、さらにハイブリッドの上級仕様(e:HEV EX)に可動式パノラマサンルーフを設定しました。
また、「e:HEV LX」というハイブリッドのベーシックグレードも新設定。
さらにRSの追加により、MTモデルはスポーティな仕立てとしたRSだけの設定となりました(Type Rを除く)。
どうせMTを選ぶなら、このくらい気持ちよく走るキャラクターのクルマに乗りたい。
シビックRSはそう思わせる仕上がりでした。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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