5速MT搭載! 日産の「4ドアコンパクトセダン」がスゴかった! めちゃ“スポーティ”な「画期的モデル」! 隠れ名車「プリメーラ」どんなクルマ?

日産「プリメーラ」は、当時の日産車のなかでも画期的なモデルでした。どのようなクルマだったのでしょうか。

欧州モデルも裸足で逃げ出す「実力派」

 日産が販売してきた数多くのコンパクトセダンのなかでも、初代「プリメーラ」(P10型)はいまだに高い評価を得ています。
 
 一体どのようなモデルだったのでしょうか。

欧州の名モデルを脅かした「プリメーラ」(P10型)
欧州の名モデルを脅かした「プリメーラ」(P10型)

 プリメーラの開発当時、国産車の多くのモデルでは、欧州車と比較しクルマの走行性能や居住性がやや劣っていた傾向にありました。

 日産はこの状況を危惧して、1980年代終盤に技術・品質向上運動「901活動(P901活動、901運動とも)」を提唱。「90年に世界一の動性能を実現」という目標を立てました。

 合言葉を「Catch the GTI and 944」(フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」およびポルシェ「944」を打倒するという意)とし、走り込みや入念な設計を行うといった愚直な開発手法を継続。

 この成果によって、8代目「スカイライン」(R32型)、4代目「フェアレディZ」(Z32型)といった、今も語り継がれる名モデルがデビュー。そして、プリメーラもこの901活動によって成し得たモデルだったのです。

 1990年2月に発売したプリメーラは、いわゆる5ナンバーの小型車に収まるコンパクトボディで、全長4400mm×全幅1695mm×全高1385mmと都市部でも扱いやすいサイズを持ちます。

 エクステリアは比較的シンプルでクリーンなデザインにまとめられ、欧州車流の高効率なパッケージングを採用。インテリアも欧州コンパクトセダンと同格の広いキャビンや優れた乗降性を確保し、ラゲッジスペースも大きな容量を確保しました。

 そして走行面では、世界に名だたるドイツの高性能モデルに匹敵する極めて高い動力性能を実現。これを叶えた技術が、901活動で培った画期的なマルチリンク式サスペンションです。

 リアにはパラレルリンクストラット式を組み合わせ、4輪独立懸架とすることで、高速度でも直進安定性と運動性能、乗り心地の良さを高度に両立。

 こうしたことから日本のみならず、ライバルの多い欧州においても自動車賞を軒並み獲得するなど、高い評価を得ることができました。

 なお日本では、「ドイツ車を超えた」と評された一方で、ユーザーからは当初「足が硬すぎる」と捉えられたこともあったようです。

 パワーユニットは最高出力150馬力の2リッター直列4気筒DOHC「SR20DE型」と、110馬力の1.8リッター直列4気筒DOHC「SR18Di型」を設定。トランスミッションは全車5速MTか4速ATが選択できました。

 グレード構成は2リッター車が装備の違いで「2.0Te」「2.0Ts」「2.0Tm」、1.8リッター車が「1.8Ci」と「1.8Cu」の5タイプを展開。こうしたグレード展開も、欧州車を強く意識したものだと言われています。

 登場まもなく英国で現地生産を開始するとともに、5ドアハッチバックの新タイプも設定。続いて北米でも、日産のプレミアムブランド「インフィニティ」のコンパクトモデル「G20」として投入され、高級コンパクトセダンとしての役割を担うことになります。

 以後複数回のマイナーチェンジが施されたのち、1995年9月にキープコンセプトの2代目(P11型)にバトンタッチされました。

 すでに登場から34年が経過し、最終型でも29年が経過するプリメーラですが、現在もなお高い評価を得ているようです。

 SNSなどでも「うわー懐かしい」「P10プリメーラ昔所有してました。懐かしい」と、当時を懐かしむコメントに加え、「とてもよくできた車だった」「P10プリメーラ。あれはいい車でした」「ホントいいクルマだったよなぁ」と、魅力を思い出す人が多いようです。

 さらに、2024年4月開催の自動車イベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2024」では、現在も多くのファンを持つ2ドアスペシャリティクーペ シルビア(5代目・S13型)や「パイクカー」シリーズとして登場した2ドアオープンカー「フィガロ」と並んで展示。

 来場者の間では、当時国産車に衝撃を与えたプリメーラを懐かしむ声や、若年層では当時のスタイリングやコンパクトセダンが新鮮だとする声が聞かれるなど、時を超えてなお、日産の名モデルとして人気が高まっています。

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1件のコメント

  1. P10は良い車だった。あの時代の日産車は今見ても好き。

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