スズキ「新型ワゴンR」いつ登場? 登場から“7年経過”も「刷新の気配」は見えず… 次期モデルは「軽量化&新ハイブリッド」搭載か!?

「新型ワゴンR」どんなモデルに進化する?

 ワゴンRの販売推移を振り返ると、2代目が発売された1998年から3代目が販売されていた2006年頃までは、1か月平均で1万6000台前後が届け出されていました。2000年や2005年などは、1か月平均が約2万台に達しています。

 この流れが変わったのは2008年以降です。この年には、スズキがスペーシアの前身となる「パレット」を発売しました。

 全高が1700mm以上でスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンですが、ホンダも同じカテゴリーの初代「N-BOX」を2011年に発売してヒットさせると、ワゴンRの売れ行きは次第に下がり始めます。

スライドドアを装着した「ワゴンRスマイル」
スライドドアを装着した「ワゴンRスマイル」

 その結果、以前は1か月平均で2万台以上に達したワゴンRの届け出台数が、2023年はワゴンR+ワゴンRスマイルの合計で6020台でした。

 この内、ワゴンRのみの正味台数は2500~3000台ですから、2000年代の約15%です。人気の中心は以前のワゴンRからスペーシアに移りました。

 2023年におけるワゴンRの販売実績をほかの軽自動車と比べると、スズキ「ジムニー」、ライバル車のホンダ「N-WGN」や日産「デイズ」、電気自動車の日産「サクラ」を下まわります。

 この実績ではメーカーも判断が難しいです。多額の開発費用を投じてフルモデルチェンジを行っても、売れ行きが順調に増えるとは限りません。

 だからといって廃止するのも惜しいです。全高が1600mmを超える広い室内を備えた軽自動車で、価格が120万円台の車種はほかにないためです。

 ダイハツ「ムーヴ」も生産を終了した今、車内の広い安価な軽自動車はワゴンRだけですから、前述の通り1か月に2500台~3000台は安定して販売され、手堅い商品になっているのです。

 この状況を受けて、スズキの社内からも「ワゴンRはどうしたものか」という声が聞かれます。新型ワゴンRが音沙汰なしになっているのは当然で、どうやら本格的な開発はスタートしていないようです。

 それでもワゴンRはスズキの基幹車種ですから廃止はできません。そこで今後は、環境性能の優れた軽自動車として発展する可能性が高いです。

 従来のワゴンRも、新規開発されたプラットフォーム、直噴ターボエンジン、エネチャージのような環境対応のメカニズムを最初に採用してきたからです。

 そしてこれからのスズキは、48Vタイプのハイブリッドを「スーパーエネチャージ」として軽自動車に搭載すると発表しています。

 48Vハイブリッドは、一般的にはマイルドタイプですが、スズキの軽い軽自動車に搭載するとフルハイブリッド並みの効果を発揮します。

 このスーパーエネチャージはアルトにも搭載され、WLTCモード燃費で30km/Lオーバーを目指しますが、実用性を高めた車種では新型ワゴンRも採用する可能性が高いでしょう。

 この時には、現在よりもさらに軽量な新型プラットフォームが採用され、同じベースを使って純粋な電気自動車を開発する可能性もあります。

 現在のワゴンRは、FXを筆頭に車内の広い低価格車という位置付けに特徴がありますが、今後は環境性能も加わるものと思われます。

 前出の販売店スタッフからも「ワゴンRはボディが軽いため、ターボを装着しなくても、それなりに良く走る」という話がありましたが、将来のワゴンRでは、ボディの軽さをさらに磨いて600kg台の後半に入ることで、優れた環境性能に生かされます。

 新型ワゴンRの発売時期は、2027年からワゴンRの生誕35周年を迎える2028年頃かもしれません。大いに期待したいです。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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2件のコメント

  1. ワゴンR、乗ってます、スティングレーね、しづかではしりよし、ひろいしつない、ねんぴよし、いいくるまです。あのぐらいでいいんじゃない?くるまは、まあスーパーハイトが多いけどワゴンRもまたよしってところですな。

  2. 軽自動車も高くなったな、あれだけ高級なオモチャが沢山付いたらそりゃなるわな。しかし軽自動車の初心て何?いろんな人たちがいて、馬鹿高いのがほしい、安い奴で良い、色々いるね。しかし250万の軽自動車は異常、オモチャが多い。こりャ変だよ、限度があるよものごとには。

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