「炎天下の車内」“すぐ冷やす”にはどうしたら良い? 「災害級の暑さ」で車内温度もキケンに! 「5分でできる」有効な方法とは
炎天下でクルマを停めておくと車内に入れないほど高い温度になりますが、すぐに車内を冷やすにはどのような方法があるのでしょうか。
炎天下の車内、どうすれば冷える?
全国的に災害級の暑さが続いており、栃木県佐野市では29日、最高気温が全国で今年最高の41度を観測するなど、各地で体温を超える危険な暑さとなっています。
こうした状況で炎天下にクルマを停めると、車内に入るのがはばかられるほど暑くなりますが、高温の車内を素早く冷まし、快適に乗れるようにするにはどういった方法があるのでしょうか。
JAF(日本自動車連盟)では、過去に「夏に駐車したクルマの車内温度を最も早く下げる方法」について実験を行っています。
実験では、同じ車種で同じボディカラーのクルマを5台用意し、一定の車内温度(55度)になったときに違う方法で温度の低下をみるというものです。
車内温度を低下させる方法は、「ドア開閉」「冷却スプレー使用」「エアコン(外気導入)」「エアコン(内気循環)」「エアコン+走行」の5通りです。
実験の結果、55度から最も早く車内温度を下げたのは「エアコン+走行」で、わずか5分で28度まで下がりました。
手順としては、クルマのすべての窓を全開にし、エアコンは設定温度をLo(最低)に、外気導入の設定で2分間走行。その後、窓を閉め、内気循環にして3分間走行します。
JAFによると、この方法では単に効率が良いだけでなく、「短時間で温度を大きく下げられるので、燃料の消費や排ガスも抑えられ、環境面でもメリットが多い」としています。
次に有効だったのが、「エアコン(内気循環)」です。窓は開けずに設定温度のみLoにするもので、7分を過ぎた時点で30度以下に低下し、10分後には27.5度まで低下させることができました。
一方、「エアコン(外気導入)」では、9分で30度を切り、10分後には29.5度とやや緩慢であったことから、内気循環を活用したほうが良いとわかります。
残る「ドア開閉」は、ドアを5回開け閉めして温度変化をみるものですが、47.5度と高い温度が継続。
そして、シートに冷却スプレーを10秒吹きかけるという「冷却スプレー使用」では、開始3分でも50.1度とわずか5度程度しか温度が下がらず、最も効果がないということがわかりました。
なお、JAFによると、車内を冷やすことができても、ハンドルやダッシュボードなどに熱が蓄積しているほか、チャイルドシートの表面やシートベルトなどの金具で子どもがヤケドを負った事例もあるため、十分注意が必要としています。
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乗車時に車内を冷やす方法以外にも、駐車時にひと工夫することで、駐車時に高温になることを予防できます。
日産自動車がまとめた情報によると、木陰や屋根の下など、直射日光が当たりにくい場所に停めることが有効で、特にフロントウインドウから直射日光が入りやすいので、日差しに向かって停めないようにすることが有効としています。
市販のサンシェードはフロントだけでなく、リアやドア用なども用意されているため、こうしたアイテムを使うとともに、ハンドルはカバーなどで保護することで、運転できない熱さになることを防げるといいます。
乗車時に車内を素早く冷ますことはもちろん、駐車中にできるかぎり対策をしておくことで、炎天下でも比較的快適にドライブすることが可能です。
なお、炎天下で駐車する場合、たとえエンジンを始動しエアコンをつけていても高温になることから、子どもやペットがいる際は数分であっても絶対に車内に取り残さないようにしましょう。
また、スプレーやライター、モバイルバッテリー・スマートフォンなどの電子機器は、熱により爆発したり発火する可能性があるため、車内に放置していないかを確認したほうが安全です。
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