新御堂筋・第二京阪へ直結!? 「淀川左岸線」延伸工事が進行中! 全体像が見えてきた“淀川堤防トンネル”どこまで完成した?
大阪市の臨海部と都心部をむすぶ阪神高速「淀川左岸線」の延伸工事が、着々と進行しています。完成したらどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んだのでしょうか。
工事はいよいよ最盛期に
大阪市の臨海部と都心部をむすぶ阪神高速「淀川左岸線」の延伸工事が、着々と進行しています。
完成したらどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んだのでしょうか。
淀川左岸線は2013年、5号湾岸線と3号神戸線を連絡する東西軸として、北港JCT~海老江JCTまでが完成しています。
現在はその延伸区間の工事が進められています。そのまま東進し、豊崎ICで新御堂筋と接続し、最終的に門真JCTで近畿道と第二京阪に直結します。
開通すれば、大阪市中心部に新たな東西軸が誕生します。これまで東大阪線・大阪港線が一手に担っていたのが、南側は2020年開通の大和川線、そして北側は淀川左岸線と、3本軸で支えていくこととなります。
海老江から門真まで、基本的に地下区間が続きます。豊崎までは堤防と一体化した開削トンネルで淀川沿いを抜けていきますが、そこから門真までの市街地部は、大深部へ一気に潜り、大部分を用地取得なしで通過していきます。
開通予定は、まだ公表に至っていません。しかし、開幕を2025年5月に控えた「大阪・関西万博」の輸送アクセスルートとして活用するため、ひとまず海老江~豊崎は「暫定開通」をめざすとしています。
さて、気になる工事進捗ですが、時間のかかる海老江JCTと豊崎IC周辺だけが長らく先行で動いていたのが、いよいよ途中の開削トンネル部も、工事が本格化しています。
7月に公開された「事業だより」では、海老江JCTからいよいよ地下へ潜っていく入口部分について、ほぼ完成形になって舗装工事が進められている様子が伺えます。
3号神戸線との分岐ランプ部もすでに高欄(側壁部)のコンクリート打設工事の段階です。
新御堂筋と接続する豊崎ICも、地下から出てきたランプの姿があり、さらに高架ランプも橋桁が組み上がっている状況です。
そして中間部も、堤防横のトンネル部のスペースが地盤まで掘削が終わり、トンネル躯体の築造がすでに始まっている部分もあれば、その一歩手前の地盤改良の段階の部分もあります。
山岳トンネルも長大橋梁も無いため、比較的スムーズである「海老江~豊崎」工区。とはいえ、目の前に迫っている万博には正式開通が間に合わないことが判明しており、「トンネルの底板だけとりあえず完成させて、その上を会場輸送バスが走る」という措置になる計画です。
いっぽう、豊崎から門真JCTまでの「大深度トンネル」区間については、まだ設計がやっと始まった段階。地上区間や浅い区間については、豊崎換気所や花博記念公園前など、一部で先行して工事が行われています。
左岸線2期工事(海老江JCT〜豊崎IC)は地盤改良工事中に近隣住宅への影響が出たため、地盤改良の工法を変更するため設計まで持ち戻りになっています。
そのため、万博輸送ルートとして一部区間に地上仮道路を敷設して通すことになっています。
仮道路運用→解体→地盤改良(やり直し)→トンネル開削となるため少なくとも。2032年あたりまで伸びることが発表されました。
淀川左岸線延伸部(豊崎IC〜門真JCT)については2034年ごろの開通目標で付帯工事が進んでいます。
順調に工事が進んでも全通まで10年ほどかかる見込みだそうです。