ひと晩で「高級車9台」盗難! トヨタ・レクサスやメルセデス等が被害も「72時間」で無事発見なぜ? 被害受けた民間駐車場が語る理由とは

スーパーパーキングってどんな場所? 犯人はどんな人?

 今回のスーパーパーキングは、成田空港周辺から往復30分圏内となるとかなり近い場所です。

 今回の盗難されたクルマを発見した場所との距離感について前出の担当者は次のように話しています。

「深夜に30分で往復できる距離で、なおかつコインパーキングがあるエリアを考えると、これは成田駅周辺じゃないかと。

 成田駅周辺にはコインパーキングが30か所以上あるのですが、そこでナンバープレートの数字をもとに探したらまた3台が見つかりました。

 スタッフはもちろん、スタッフの家族や友人なども協力して総勢20名以上でしらみつぶしに500か所ものコインパーキングを探しました。

 そして、7台めは守谷駅近くのコインパーキングで発見されましたので、残りの2台も近くにあるとみて探して9台全部を守谷駅周辺で発見しました」

 また発見されたクルマの状況や損傷については次のように話しています。

「ほとんどは大きなキズもなかったのですが、GPSやドラレコの配線が切られたりSDカードが抜かれたりというのは当然ですがありました。

 これらはお客様の車両保険を一切使うことなく弊社の保険で補償させていただきます」

 今回、無事に9台すべてを72時間で発見できたことは素晴らしいことですが、そこには窃盗団の中に不慣れな人物がいたことも関係しているといえます。

 通常、クルマが盗まれると最初に純正GPSのユニットが破壊されますが、今回は破壊されていなかったクルマが2台あり、またドラレコが機能していたクルマもあって犯人たちの会話が1時間以上にわたって記録されていたようです。

今回、被害を受けた成田空港の民間駐車場「スーパーパーキング」の事件当時の防犯カメラ(画像提供:スーパーパーキング)
今回、被害を受けた成田空港の民間駐車場「スーパーパーキング」の事件当時の防犯カメラ(画像提供:スーパーパーキング)

 そうしたこともふまえて、前出の担当者に犯人像を伺ってみました。

「最初に事務所に侵入してきたときの防犯カメラの映像は外国人らしき人物がうつっており、発見されたクルマのドラレコに1時間半くらい犯人どうしの会話が残っていました。

 それらはベトナム語でした。実行部隊(盗難車のドライバー)は3名と考えられます。

 そのうちの1名はクルマの窃盗も運転も不慣れなようでどこかにぶつけたのでしょう。側面にこすったあとがありました。

 コインパーキングでの駐車の仕方も枠からはみ出すなど慌てていたのかもしれませんが駐車自体もかなり乱暴でヘタな停め方でした」

※ ※ ※

 なお、大手メディアの報道によるとスーパーパーキングの盗難事件があった3週間ほど前に、すぐ近くの大規模な民間駐車場でも10数台が盗まれる窃盗事件がありました。

 10数台のうち3台がたまたま別件で発見されたようですが、あとはまだ見つかってないとのこと。その時の犯人と同一犯であることも予想されます。

 そうしたなかで、7月6日にスーパーパーキングではこれまで同社の駐車場を利用した人達に向けて、「盗難事件に関するお詫びと対策に関しまして」というタイトルで文書を発信しています。

 筆者も2023年6月に同社のコインパーキング(無人)を利用した際にLINE登録をしていたことでこの文書が届きました。

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 今後の対策として以下の8つを挙げています。
 1:キーの保管方法の見直し
 2:契約警備会社の一部見直し
 3:防犯カメラの増設
 4:保険契約内容の見直し
 5:車両整理方法の見直し
 6:当社判断のもとハンドルロックの設置
 7:当社判断とお客様同意のもとGPSの設置
 8:対策の呼びかけ
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 この数か月、自動車窃盗の方法としてGAME BOYなどの最新ツールでトヨタ「ランドクルーザー」やトヨタ「アルファード」などの人気車種を狙いうちすることが顕著です。

 しかし初心者を含む複数の窃盗犯が10台前後のクルマを短時間で一気に盗むやり方も増加傾向にあるといえます。

【画像】「えっ…!」これがハンドル切断された「ランクル300」です(30枚以上)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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