マツダ“超高級”「すごいクーペ」! めちゃ豪華なのに「爆速」!? 超絶「ロータリーパワー」&「斬新」装備の“ユーノス”「コスモ」とは
V12エンジンに匹敵する滑らかさを誇った3ローターエンジン
そしてやはりユーノス コスモを語るには、市販車では世界初搭載となる3ローターのロータリーエンジン「20B-REW」型を外すことはできません。
最高出力330psを超える性能を持っていましたが、自主規制により上限値の280ps/6500rpmに抑えられていたといいます。
最大トルクは自然吸気4リッター車に匹敵する41.0kg-m/3000rpmをマーク。V型12気筒のレシプロエンジン並みの滑らかさも、3ローターエンジンのアドバンテージでした。
この強大なパワーを受け止めるべく、リアサスペンションにはツイン式ダンパーを備えるほどでした。
他にも2ローターの「13B-REW」型エンジンが用意されましたが、「20B-REW」ともども、日本車としては初のシーケンシャルツインターボを採用していました。
一方で3ローターエンジンの燃費は「極悪」で、10・15モード燃費はカタログ値で6km/L台。実際には高速道路でも5km/L、街乗りでは5km/L、渋滞多めだと2km/L以下(!)だったそうです。
時代に合わせたバブリー&ゴージャスなクーペとして生を受けたユーノス コスモですが、その後すぐにバブルは崩壊。マツダの5チャンネル化も失敗に終わり、1996年にユーノス店も消滅しました。
ユーノス コスモも1995年に生産を終え、ユーノス店の終焉とともに販売を終了しています。
人もモノもたくさん積めないのに車体が大きなパーソナルクーペは、言うならば「無駄」なクルマです。でもその「無駄」はゆとりや豊かさの象徴でもあるのです。
大型クーペでさえクロスオーバー化され、さらに環境性能の高さも強く訴求される現在、燃費が悪いエンジン、狭い車内の国産高級クーペはきっともう2度と出ないはず。
ユーノス コスモがいまも魅力的なのは、「現代ではありえないこと」で満ちているゆえなのでしょう。
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ここまでこだわった設計にも関わらず、国内専用車だったためか、ユーノス コスモは海外のカーマニアから「知る人ぞ知る」存在のようですが、近年はその中古車が海外に流出するケースもみられます。
2024年6月には海外のカーオークションサイト「Collecting Cars」で1990年式ユーノス コスモ(走行約16万キロ)が取り引きされ、オーストラリアで1万9215豪ドル(約207万円)にて落札されていました。
近年は街でその姿を見ることもめっきり少なくなりましたが、二度と出てくることはないであろう豪華クーペゆえ、世界のマツダファンからこれからも大事に扱われていくことでしょう。
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