「タクシー定期券」導入なるか? 国交省が2018年度実験へ 先行事例に見る効果と課題とは

タクシーにおける「定期券」のような定額乗り放題制度の社会実験を、国土交通省が2018年度から開始する予定です。新たな需要を喚起するといいますが、価格やエリアをどうするかという課題も。民間の先行事例ではどのようなことがあったのでしょうか。

「鉄道の定期券」のようなもの?

 国土交通省が、タクシーへ定額乗り放題制度の導入を検討しています。2017年8月に発表された2018(平成30)年度予算要求概要に、その実証実験のための予算が盛り込まれました。

タクシーへの「定期券」導入が検討されている。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 同省自動車局によると、「鉄道の定期券」のようなものといい、予算が認められれば2018年度に実証実験を行い、結果を踏まえて制度化を検討するとしています。詳しく話を聞きました。

――タクシーの「定期券」とは、どのようなものでしょうか?

 対象者やエリア、期間、時間帯を限定し、タクシーを定額で乗り放題にするものです。予算要求概要では高齢者の通院や買い物、子供の学校などへの送迎、通勤なども想定されていますが、具体的にはこれから検討していきます。

――導入にはどのような意図があるのでしょうか?

 利便性を向上し、新たな需要を掘り起こす目的で、タクシー業界と足並みをそろえて取り組むものです。頻繁に利用する人にとっても、割安にタクシーを利用できます。

 しかし、それにより収入が減ってしまうようでは事業が成り立ちませんので、使うシーンを限定していく必要があると考えています。検討にあたっては、回数を制限することも考えなくてはなりません。制度化した場合は各事業者が国に申請したうえで認可する形になると思いますので、事業者にとって減収にならないような制度設計をします。

※ ※ ※

 国土交通省の資料によると、タクシーの輸送実績は2016年までの10年間で2割以上の落ち込みが見られるといいます。これは、航空や鉄道、バス、船といったさまざまな輸送機関のなかで減少幅が最も大きく、「運賃・料金の割高感等の影響を受けていると考えられる」とされています。

 一方、別の資料ではタクシーの定期券について「気軽に利用できる」「新規顧客の獲得が見込める」「昼間などの換算時間帯に限定することにより、車両の効率化が図られる」といった効果が挙げられており、利用者、事業者双方にとってのメリットがうたわれています。ただ、この制度が減収につながらないようにすることがポイントであるようです。

 タクシーの定期券は、国が主導する今回の動きに先立って、すでに福岡市で実験が行われています。その結果はどのようなものだったのでしょうか。

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