トヨタ”新型”「スープラ」まもなく登場!? “中身”はSUVと共有も? デビュー6年目「本格スポーツカー」どうなるのか

次期型スープラは「SUV」と共有プラットフォームになる!?

 トヨタは、2002年に絶版となって以来消滅していたスープラを復活させるため、ドイツのBMWと手を組み共同開発をする方針をとりました。

 その最大の理由は、開発費の削減です。

トヨタのスポーツカーコンセプト「FT-Se」の奥には同じプラットフォームを共有するSUVタイプのコンセプトカー「FT-3e」の姿も
トヨタのスポーツカーコンセプト「FT-Se」の奥には同じプラットフォームを共有するSUVタイプのコンセプトカー「FT-3e」の姿も

 量販車とは違い、数を売ることが難しい2ドアスポーツカーに膨大な開発費を投入するのは、流石のトヨタも避けたいところ。こうしたコスト削減の狙いは、BMWも同じ想いだったはずです。

 2019年、17年ぶりのスープラ復活劇のなかで、トヨタは「Supra is back!」と声高に叫びました。

 復活を待っていたファンは大いに熱狂しましたが、そのGRスープラのプラットフォームやエンジンなどの主要コンポーネントは、すべてBMWが開発した車両がベースでした。

 心の中で、純トヨタ製のスポーツカーであってほしかったと思った人も少なくなかったでしょう。

 本当の意味で、純トヨタ製のスープラが登場するうえでは、このFT-Seベースの製品化は大きなチャンスといえます。

 量販車であるSUVと主要なコンポーネントを共通化し開発費や製造コストも抑え、スポーツカーをより現実的な価格に落とし込める可能性があるからです。

※ ※ ※

 トヨタは2024年5月28日にスバルやマツダと共同で行った「マルチパスウェイワークショップ」において、新型の1.5リッターの自然吸気とターボエンジン、2リッターのターボエンジンを発表しました。

 この発表で、エンジン主導であった従来のトヨタハイブリッドシステム(THS II)に対し、今後登場する次期型トヨタハイブリッドシステムでは、電動を主体ととらえる「設計思想の変化」が明らかになりました。

 電動走行率の多いプラグインハイブリッド車に近い存在になるシナリオが考えられますが、このうちの2リッターターボエンジンと電動ユニットを採用して、BEVであるFT-Seの考え方を盛り込んだ姿が“次期スープラ”となるのではないかと筆者は考えています。

 数年後、本当の意味で“Supra is back!”となるのか、非常に楽しみです。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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