ドローン講習、なぜ自動車学校で? 「陸」から「空」へ参入するメリットとは

自動車学校でドローンの講習を行う動きが広がっています。背景には少子化による生徒数の減少があるといいますが、「陸」と「空」とで法律も違うまったくの異分野に参入するメリットとは、どのようなものなのでしょうか。

少子化で生徒数減少 副業ではない「柱」の事業に

 ドローンの講習を行う自動車学校が登場しています。

江刺自動車学校のコースを活用したドローン講習のようす(画像:岩手ドローンスクール)。

 2017年5月には日本で初めてという、自動車学校による「ドローンスクール」として、岩手県奥州市の江刺自動車学校が「岩手ドローンスクール」を開講。福島でも県自動車学校協同組合(郡山市)が加盟校での事業展開の準備を進めているほか、栃木県や福岡県でも導入に向けた動きがあります。

 自動車学校でなぜドローンを教えるのでしょうか。江刺自動車学校は、「クルマの教習においては道路交通法のみに準拠しますが、ドローン講習の導入に向け航空法や電波法を学び、2年ほどの準備期間を経て『岩手ドローンスクール』を開講しました」といいます。同校に話を聞きました。

――ドローンスクールを開講したのはなぜでしょうか?

 少子化による生徒数減少の影響が大きいです。本校ではクルマの教習だけでなく、農業ビジネスにも参入しており、さらに『第三の柱』としてドローンスクールを位置づけています。『副業』という姿勢ではありません。

 ドローンを飛行させるための広い敷地があるという設備面のメリットだけでなく、クルマの教習で培ってきた人的なノウハウを活かせると考えています。講習を受けられるのは全く初心者の方が多いですが、それは、教習で初めてクルマに触れる方と同様です。目線の動きを見て、いつアドバイスをすればよいか、どのように声掛けをしたらよいかということがわかっているので、ドローンにおいてもクオリティの高い講習ができると思っています。

――カリキュラムはどのような内容でしょうか?

 期間は4日間で、1日目は座学です。航空法などの法律や操作方法だけでなく、気象や環境についても学びます。2日目と3日目は実技ですが、本校の場合はそのあいだに1、2週間空け、自宅でも練習していただきます。4日目の最終試験に合格すれば、操縦技能資格と安全運航管理者資格を得ることができます。費用は入会金が3万円、受講料が24万円(いずれも税別)で、練習用のトイ(おもちゃ)ドローンとテキストを含みます。

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