6速MTがアンダー220万円! スズキの「快速スポーツカー」なぜ買い得? モデル末期の「スイフトスポーツ」が魅力的すぎるワケ
新型スイフトスポーツはどうなる?
スイフトスポーツがここまで機能や装備を充実させて、価格を216万4800円(6速MT)に抑えられた背景には2つの理由があります。
1つ目はスイフト全体の価格が安いことです。スイフトスポーツのベースになった先代スイフトには、1.2リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載しながら、スポーティなサスペンション、エアロパーツ、アルミホイールなどを標準装着する「RS」がありました。
このRSの価格は179万3000円(5速MT)に抑えられ、スイフトスポーツも安価にできたというわけです。
2つ目の理由は、スイフトスポーツが先代スイフトの標準グレードと比べても、価格を割安に抑えていることです。
現在のスイフトスポーツは、以前に比べて10万円ほど値上げされましたが、それでも先に挙げた先代スイフトRSとの価格差は約37万円に収まります。
また2023年にフルモデルチェンジされた現行スイフトの価格は、安全/快適装備がスイフトスポーツに近い「ハイブリッドMX」(5速MT)が192万2800円です。
衝突被害軽減ブレーキなどの性能は、設計の新しいスイフトハイブリッドMXが優れていますが、スイフトスポーツとの価格差も約24万円まで縮まっています。
このようにスイフトハイブリッドMXの価格に約24万円を加えると、世代は古いものの、スイフトスポーツを購入することができるのは魅力でしょう。
スイフトスポーツがフルモデルチェンジを受けて、安全装備を進化させながら価格も上昇したため、現行スイフトスポーツの買い得度が際立ってきたというわけです。
スイフトスポーツの歴代モデルには、それぞれ異なる特徴があり、各世代にファンがいます。新型の登場を受けて、敢えて従来型を選ぶ買い方も成り立ちます。
しかも価格が割安ですから、スイフトスポーツは人気を高めて当然でしょう。
スイフトが先代型だった2023年は、スイフトシリーズの約半数をスポーツが占めていました。
スイフトのイメージを高めることも視野に入れ、スイフトスポーツは価格を戦略的に安く抑えていたのです。
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気になるのは、現行スイフトをベースに開発される新型スイフトスポーツの登場時期と価格です。
スズキの販売店によると「2024年5月下旬時点で、メーカーから新型スイフトスポーツの話は聞いていません。現行型の注文も入れられます」とのこと。
そうなると新型スイフトスポーツの発売は、2024年9月以降になり、2025年に入るかも知れません。
そして新型スイフトスポーツは値上げされる可能性が高いです。その理由として、1.4リッターターボエンジンを継続搭載しながら、新しくなったスイフトの標準グレードと同様に、マイルドハイブリッドを装着するであろうことが挙げられます。
安全装備も充実させ、昨今の原材料費や輸送費の高騰にも対応するとなると、新型では20万円少々値上げされ、240万円くらいに達する可能性があるのです。
ボディの軽さはスイフトスポーツの重要な機能ですから、車両重量の増加は抑えると思われますが、それでも重くなることは避けられないでしょう。
そのため、ユーザーによっては、新型よりも現行型の走りが好みに合うかも知れません。
販売店では「現行スイフトスポーツであれば値引きも相応に増えており、カーナビなどのディーラーオプションをサービス装着することも可能です」と述べています。
新型では値引きなどの条件が引き締まるため、新型の情報が分かった時点で即座に判断して、買い得な現行型を好条件で買う方法もあるでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
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