スバル「新型レイバック」がスゴい! 新たな“都会派SUV”はタフ×上質デザインなのに割安!? 新SUVの魅力とは

レイバックが“女性ウケ”を狙ったワケとは?

 レイバックは、サスペンションの設定もレヴォーグと異なり、乗り心地を向上させ、走行安定性とのバランスを緻密に煮詰めています。

 さらにレイバックは、インテリアの色彩を明るくして、シート形状も、座り心地が柔軟で乗降性も良好な形状に変更し、上質感のある仕立てを実現。乗り心地の良さと相まってリラックスして移動することができます。

 これらの変更をすべて含めて8万8000円で得られるのですから、レイバックは買い得といえるでしょう。

「レヴォーグ レイバック」の上質なインテリア
「レヴォーグ レイバック」の上質なインテリア

 ちなみに、レヴォーグはクルマ好きの男性ユーザーには人気が高いのですが、女性からは「スポーティ過ぎる」との声があり、興味を持ってもらうのが難しいという事情があるようです。

 そこで女性の好感度を上げることを考慮してレイバックが追加されました。

 一方で、レイバックの丸みを持たせたフロントマスクは賛否両論あるかもしれません。一種の膨張感があり、レヴォーグが持つシャープな雰囲気が薄れたからです。

 この点を開発者に尋ねると「レイバックは女性のお客様を重視して、なおかつ都会的な雰囲気も強めるため、フロントマスクなどの外観はあえて丸みのあるデザインにしました」との回答。

 そのため外観は、キレの良いスポーティな印象を抑えて、柔和な雰囲気に仕上げたといわけです。

 運転感覚も、レヴォーグよりも機敏さを少し控えて、乗り心地を快適に仕上げたほか、シートの座り心地も、ホールド性よりも快適性を重視しています。

※ ※ ※

 注目されるレイバックの売れ行きですが、2024年1月~4月に販売されたレヴォーグ全体の中で、54%をレイバックが占めました。

 なお、レヴォーグには、1.8リッターターボのほかに、さらなる高性能バージョンの2.4リッターターボが用意され、グレードも「STIスポーツ」を含めて6種類が設定されています。

 その点、レイバックはワングレードのみで、それでもレヴォーグ全体の半数以上を占めたのですから、レイバックは成功作といえるでしょう。

 レヴォーグGT-H EXと比べた時の実質的な価格アップが8万8000円という割安感も、レイバックが成功した大切な秘訣になっていると思います。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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