マツダが新「すごい 2ロータリー」公開! 新「スポーツカー」にも搭載!? これからの「RE」とは
カーボンニュートラル実現に向けて、電動化に適合する新たなエンジンの開発をマツダはトヨタ・スバルと共に発表しました。
マツダが語る「ロータリーエンジンの未来」
マツダは2024年5月28日に、カーボンニュートラル実現に向けて、電動化に適合する新たなエンジンの開発をトヨタ・スバルと共に発表しました。
昨今マツダの独自技術でもある「ロータリーエンジン」に関するニュースが多いなか、今回は「ロータリーエンジンの未来」について語っています。
マツダのロータリーエンジンといえば、同社が世界に誇るエンジン技術です。
ロータリーエンジンは、小型軽量高出力で、その構造の特性上、燃料の雑食性があるという特徴を持っています。
またコンパクトなサイズに加え、エンジン補器類のレイアウトの自由度が大きいために電気デバイスと組み合わせる場合、スペース効率は抜群で搭載性に優れている点は大きな優位性なので、革新的パッケージングやデザインが実現できる利点など、ロータリーエンジンならではの価値も存在。
そんな市販車初のロータリーエンジンを搭載したクルマとしてマツダは1967年に「コスモスポーツ」を発表しました。
その後も「ファミリア」「ルーチェ」「コスモ」「RX-7」「RX-8」など様々なマツダ車に搭載してきます。
しかし、2012年6月にRX-8の生産終了と同じくロータリーエンジンの歴史は1度幕を下ろしました。
2015年にはロータリーエンジンを搭載したスポーツカーのコンセプトモデル「Mazda RX-VISION」を発表。復活の期待が寄せられましたが、市販化には至っていません。
そして、2023年にロータリーエンジンを発電機として採用した新たなモデルの「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を発表。
それまでのロータリーエンジンの使い方とは異なるものの、それまでの13Bと異なる8Cを新開発。さらにはマツダ内に新たに生産ラインが新設されました。
また2023年秋の「ジャパンモビリティショー2023」では、2ローターRotary-EVシステムを搭載するコンパクトスポーツカーコンセプト「ICONIC SP」を発表。
水素など様々な燃料を燃やせる拡張性の高いロータリーエンジンを活用した2ローターRotary-EVシステムは、カーボンニュートラル燃料で発電するものだと言います。
その後、2024年2月1日付でパワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部に「RE開発グループ」を復活。
ここでは、ロータリーエンジンを発電機用として継続的に進化させ、主要市場での規制対応やカーボンニュートラル燃料対応などの研究開発に取り組んでいくとしています。
そして、今回5月28日に開催された技術説明会にて、トヨタ・スバルと共にマツダは電動化に適合する新たなエンジン開発を宣言しました。
この技術説明会の冒頭でマツダの毛籠社長・CEOは次のように述べています。
「電動化時代における内燃機関を磨き、マルチパスウェイでカーボンニュートラルの実現可能性を広げ、お客様がワクワクするクルマを提供し続けます。
電動化やカーボンニュートラル燃料と相性の良いロータリーエンジンを社会に広く貢献できる技術として育成できるよう、共創と競争で挑戦してまいります」
今回の技術説明会では、マツダの廣瀬CTOが「マルチパスウェイにおけるロータリーエンジンの挑戦」をテーマに解説しています。
そのなかで今後の電動化時代のロータリーエンジンは、大きく2つを想定しているようです。
ひとつは、1モータの「ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT 」。
これは発電用のシングルローターと新たな電気駆動ユニットの組み合わせを検証する横置き型コンセプトユニットです。
前述のMX-30 Rotary-EVによりもコンパクトにしてレイアウト上の自由度を高めることでBEV専用プラットフォームにも搭載が可能としてます。
もうひとつは2ロータの「ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT」です。
これは縦置きで搭載することで、発電用の2ローターからより多くの電力供給を可能にし、低重心のプロポーションを実現したコンセプトユ
ニット。
排気量アップによるエミッションや振動の改善も狙っている他、スポーツカーへの採用なども視野に入れていると言います。
実際の展示ではタイヤと共に置かれ、高さがタイヤに収まるほどの低い高さが特徴となっています。
その他、今後期待されるカーボンニュートラル燃料には様々な種類が存在します。
しかし、前述で燃料の雑食性という特徴により、ガソリン車またはディーゼル車で燃やせないものでもロータリーエンジンは燃やすことが出来るというメリットもあります。
このようにいくつかのメリットがありますが、今後は排出ガス規制など厳しくなっていくことが確実視されています。そこに対してはどのように対策していくのでしょうか。
ロータリーエンジンに電動化を組み合わせることで、走らせる領域をモードの切り替えで電力を上手く使い、賄うことでエミッションの改善をしていくとしています。
また発電量に応じてローターの数を増やしてもサイズ的にはそこまで影響がないこともメリットだといい、デザインの自由度アップや、空力改善にも繋がるようです。
最後に廣瀬CTOは「ロータリーエンジンはこれまでも何度も環境規制で『オワコン』だと言われてきました。しかし、今回のカーボンニュートラル燃料や電動化などで復活をさせていきたいと思います」と語りました。
カーボンニュートラル燃料は確かにカーボンニュートラルには有効だが、マツダのブァンケル式ロータリーでは、圧縮比が低く熱効率が悪い為、排ガス規制はクリア出来ない。アメリカのリキッドピストン社のXエンジン、アストロン・エアロスペース社のオメガ1など、新世代ロータリーに学ぶべき。ブァンケル式は既に限界。