大手タイヤメーカーはどう考える? 物流業界の課題解決に向けた「ミシュラン」「ダンロップ」の取り組み
ミシュランは環境負荷低減と2024年問題対策を展示テーマに
「すべてを持続可能に」という企業ビジョンを掲げている日本ミシュランタイヤ(ミシュラン)は、物流業界の課題に対するサステナブル製品および、タイヤマネジメントサービスの紹介と展示を行いました。
ミシュランブースの展示テーマは、タイヤメーカーとしていかに輸送業界における環境負荷を低減できるか、そして2024年問題に伴う人材不足の課題についてどう取り組むことができるかの2点です。環境負荷低減に対しては、転がり抵抗が少ない省燃費タイヤ、耐摩耗性の高いタイヤ、かつ安全なタイヤを提案しました。
日本初公開の「サステナブルタイヤ」の量産プロトタイプを展示
さらにミシュランでは、少しでも長くタイヤを使用できる方法論として「リユース」「リサイクル」「リニュー」「リデュース」のサイクルによる「4R」を提唱していました。
「リユース」では、タイヤの溝を彫り直す「リグルーブ」、そのタイヤが減ったら表面に新しいゴムを貼り直す「リトレッド」によってタイヤの寿命を延長できます。会場ではタイヤにリグルーブを実施する実演も好評で、多くの来場者が注目していました。
そのほか、トラックでは通常ダブルタイヤとなるリアタイヤをワイドタイヤでシングル化した「MICHELIN X ONE」も展示していました。タイヤ・ホイールが減る分の重量削減による積載量の向上・タイヤ交換時のメンテナンス負荷低減・廃棄するタイヤの削減を図れるため、経費節約・環境負荷削減に寄与します。
さらに同社ブースでは、原材料にサステナブル素材を58%使用したデモンストレーションタイヤを日本で初めて展示しました。このタイヤで重要なのは、市販用タイヤとして2025年以降に量産する予定がある、いわば量産プロトタイプであること。さまざまなメーカーがサステナブル素材のタイヤを開発する中で、単純にサステナブル素材の含有率を高めることは可能ですが「それで市販タイヤとしての性能が担保できるかは別問題」とミシュランの担当者は語ります。
ミシュランでは、公道を走行できるレベルかつ、サステナブル素材58%使用という数値を達成したタイヤの開発に成功しました。今後ミシュランでは、サステナブル素材の原材料比率を2030年までに平均40%、2050年までに100%にすることを目標にしており、このデモンストレーションタイヤは、その道筋を示すタイヤといえるでしょう。
2024年問題に伴う人材不足については、運送会社が抱える「ドライバー不足改善」「ドライバーの定着」の課題を、ミシュランが事業者ごとに診断を行い、会社とドライバーの深い関係性(エンゲージメント)を向上させる「ドライバーサーベイ」を紹介していました。
タイヤを長く安全に使うために、これまで多くの運送事業者が行っていたアナログ的なタイヤ管理に代わり、ミシュランがタイヤを管理する「ミシュランタイヤケア」も、タイヤ管理に伴う経費削減に貢献します。
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