東京の謎の並行道路「五日市街道」「井ノ頭通り」どう違うの!? どちらが使いやすい? 至近距離に2本も道路がある「歴史的理由」とは

なぜ似たような道路が2本?歴史を辿ると…

 ところで、五日市街道と井ノ頭通りはなぜこんなにも同じようなルートでずっと並行しているのでしょうか。これは歴史を辿るとわかってきます。

 もともと昔からあったのは五日市街道で、江戸時代からほぼ変わらないルートです。その名のとおり、五日市の山林から、薪炭を運ぶ役目を果たしていたといいます。吉祥寺周辺にも「本宿」という地名が施設名などに残り、宿場を中心に街のにぎわいがあったことを偲ばせています。

 逆に井ノ頭通りは、戦後すぐの都市計画で作られた道路です。「井ノ頭通り」という名称自体、1960年代に東京都が都道へ名称を一斉に付けた際のものです。

 井ノ頭通りは、都市計画道路「放射第23号線」として計画決定。旧態依然とした五日市街道の代わりに、バイパス道路として整備されたのです。

 そのルートは五日市街道の近くに適当にまっすぐ引いたわけではなく、戦前に作られた「東京水道」を活用して道路敷地としたのです。開通からしばらくは「水道道路」と呼ばれていました。

 バイパス道路という経緯もあり、いまでも五日市街道、井ノ頭通りのどちらも東京都道7号「杉並あきる野線」に指定されています。

 それから今や半世紀以上が経過し、すでに2車線道路では交通流をさばききれず、都内ネットワークのバイパス機能は「東八道路」がすっかり取って代わっています。

 しかし井ノ頭通りはまだ戦後すぐの計画が成就していません。先出の代田橋周辺は道路が完全につながっておらず、環七周辺もまだ4車線化の最中。地域交通の利便性を確保し緊急車両が走りやすくするなど、都内の道路はまだ完成に向けて道半ばです。

【画像】どっちがどっち!? ややこしい「五日市街道&井ノ頭通り」ルートをまず地図で見る!(画像)(24枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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