高速道路 悲惨な「停止車に突っ込む事故」防ぐ救世主は「ETC2.0」か!? 「事故です!右車線へ!」実現する未来は近い!? 道路上の異常見分ける「ETCビッグデータ」の可能性とは

「細かく情報を収集&発信」できるのが最大の特徴 「事故検知」の研究も!?

 ETC2.0は、「料金所を通りました」だけの情報送信・受信からさらに拡大して、さらに多くの情報を道路上で相互に通信できるようにするシステムです。

 たとえば、最近のカーナビでは「逆走のおそれがあります」と警告してくれる機能があります。これだけではドライバー本人が聞く耳を持たない場合がありますが、ETC2.0があれば、そのカーナビがETC2.0サーバーへ「このクルマ、たぶん逆走です!」と「自動通報」してくれることも可能になります。

それだけではありません。ETC2.0の強みは「リアルタイムに高密度に収集される膨大なデータ」で、これが事故や停止車両の早期発見に有効となりそうなのです。

 高速道路には200m間隔という高密度で「ITSスポット」が設置され、個々のクルマと通信を行っています。これにより、それぞれのクルマで「いつ、どこで、どれくらいの速度で走っているか」という情報(ETC2.0プローブデータ)が刻一刻と照会できるようになりました。

 この膨大なリアルタイム情報のおかげで、ドライバーにとって最大のメリットと言えるのが「渋滞情報の精度向上」です。

 いままでは地面に埋め込まれている機器で通過車両を検知していましたが、精度にムラがありました。大量のITSスポットで大量のクルマから速度情報を収集することで、現場を反映した渋滞状況が把握できるようになったのです。

 そして、このビッグデータが、「現場でトラブルが起き、車両が本線上に停止している」という事象を把握し、さらに後続のクルマへ「注意!注意!左車線に車両が止まっています。右車線へよけて!」と大音量で知らせることで、ノーブレーキ追突による死亡事故も防ぐのに期待できるというわけです。

 近年の研究例では、通信機器メーカーの沖電気工業(OKI)が、AIに「交通異常とETC2.0ビッグデータの関係」を学習させ、「このデータ、何か異変が現場で起こっているに違いない!」と即座に判断できるかどうかを実験調査しています。

 人工知能学会の2019年発表会で発表された成果では、異常発生位置から500m以内で検知できるかが計算されました。その結果、使ったデータで「交通異常」と判断された33件のうち、94.3%にあたる31件が正解。検知できなかった事例はわずか4件でした。

 中には、「現地通報などで管制センターに連絡があり、それをデータに記録する」という実際起こり得るタイムラグよりも1分早く、AIが検知判定できたケースもあったといいます。

 この実験の時は、判定条件として「自然の渋滞ならジワリと速度低下していく」「交通異常なら道路の一部封鎖で一気にピタ留め状態が起きる」という違いを前提にしています。

 研究チームは「良好な結果で、この方式が有効である」として、今後は精度を高め、さらに渋滞が起きない場合の交通異常も検知できるよう研究開発するとしています。

 ちなみに、2024年4月時点での「ETC2.0」のセットアップ件数は、約1163万台にのぼります(一般財団法人ITSサービス高度化機構)。

 とはいえ、「ETC」「ETC2.0」の両方の機器が販売されていて、「ETC2.0」のほうが一般的に高いため、ETC2.0普及率はまだ全体の3割を超えた程度です。ETC2.0の活用技術の発展とともに、より普及率を上げてデータを取りやすくする何らの施策も必要になってくるかもしれません。

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