840万円超え! 全長4m切り「爆速コンパクトカー」出現! 5速MT&4WD搭載の「伝説級モデル」がスゴい… 鮮烈レッドの“激レア車”がベルギーで落札
800万円超えの価格で落札された日産「サニー」とは、どのようなクルマなのでしょうか。
伝説の「ホモロゲモデル」が高値に しかも激レア仕様…
2024年5月7日、イギリスのカーオークションサイト「Collecting Cars」において、ベルギーから出品された日産「サニー」が5万500ユーロ(当日レートで約840万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
Collecting Carsは2018年に創設されたカーオークションサイトです。
欧州をはじめ、シドニーやロサンゼルス、アブダビなどに拠点を持ち、欧州車や日本車をメインにオークションが開催されています。
今回5万ユーロを超えて落札されたのは、1992年式のサニー「GTI-R」で、走行距離は4472kmと低走行の個体です。
サニーGTI-Rは、日本では「パルサーGTI-R」(RNN14)として販売された3ドアハッチバックスポーツカーで、ベースのコンパクトカー「パルサー」(5代目モデル)をベースにWRC(FIA世界ラリー選手権)に参戦するために専用開発されたホモロゲーションモデルとなっています。
そのため、エクステリアはパルサーの面影を残しつつも戦闘力を高めてあり、ボンネットにはインタークーラーへ冷却風を取り入れる大きなエアダクトを装備したほか、巨大なリアスポイラーを装着するなど、競技で勝つための専用装備が数多く採用されています。
ボディサイズは全長3975mm×全幅1690mm×全高1400mm、ホイールベースは2430mmで、車両重量は1220kgです。
パワーユニットは、2リッター直列4気筒DOHCターボ「SR20DET型」を搭載し、最高出力230馬力・最大トルク29kgmを発揮。
このSR20DET型はスペシャリティスポーツクーペ「シルビア」(S13型)などにも搭載されたものと同型ですが、4連スロットルを採用するなどの出力向上が図られたスペシャルバージョンとなっていました。
トランスミッションは5速MTのみで、駆動はセンターデフとビスカスカップリングを組み合わせたフルタイム4WDシステム「アテーサ」が採用されています。
高い運動性能が特徴のパルサーをさらに強化し、強力なパワーユニットとスポーツ向けの4WDを組み合わせたことで、ラリー競技に特化した特別なモデルでしたが、パルサーGTI-RとしてはWRCでは最高位が3位と苦戦を強いられます。
日産は「ブルーバード」や「フェアレディZ」などでラリー界に数多くの功績を残してきましたが、残念ながらこのパルサーGTI-Rを採用した1992年シーズンをもって、ワークスでの活動から撤退。後継モデルの登場も叶いませんでした。
今回、Collecting Carsで登場したのは、パルサーではなくサニーとして国外向けに正規輸出された668台の数少ない左ハンドル車。
出品者によるとエクステリアカラーの「フレイムレッド」は、そのうち27台と極めて希少な個体であると言います。
エクステリアはほとんど純正の状態が残されており、特徴的なボンネットやリアスポイラーなどもそのままに、色の抜けやすいレッドのカラーも鮮烈に映っています。
また、ヘッドライトやテールライトのレンズも透き通っており、リアバンパーは一度再塗装されたようですが、装着される樹脂モールの状態なども良好です。
ホイールは、現在装着されているのは純正ではなくOZ製「スーパーツーリズモWRC」17インチホイールと、WRCでの活躍を思い出させるチョイスです。
なお、純正ホイールも残っているようで、こちらはタイヤを2023年に交換したばかりのようです。
インテリアはシートやインパネ、ステアリングに至るまで一切の使用感が感じられず、出品者は「32年経っているにもかかわらず新車の匂いが残っている」と言います。
ステアリングやステレオ、コンソールに装着される3連メーターは純正であり、当時の雰囲気がそのまま残されています。
名機とされるSR20DETが押し込まれるエンジンルームは清潔で、長年に渡る汚れの堆積や目立つサビなどはほとんど見当たらず、ゴムやプラスチックパーツも黒々としており、手入れのよさがうかがえます。
なお、出品者によるとドライブベルトが交換されているほか、2023年、2014年、2004年の整備記録が残っており、それぞれの走行距離が一致していることから、メーター表示の走行距離が正しいものだとしています。
このサニーGTI-Rは、74件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、5万500ユーロで落札。
極めて珍しい仕様かつ新車並みの状態で残っていること、純正かつ低走行であることなどが評価されたのか、約227万円(日本国内の場合)だった新車価格の3倍以上のプライスで取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
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近年は映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、その影響を受けて1980年代から90年代のスポーツカーが輸出され、高値で取り引きされています。
一方で今回のサニーGTI-Rのように、国内のオリジナルモデルと同じルーツを持つものの、海外向けに正式輸出されたモデルも高騰しており、同様のケースでは日産「240SX」や三菱「ランサーエボリューション」(現地名カリスマGT)シリーズ、アキュラ「NSX」なども大幅に値上がりしています。
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