大渋滞の”京葉道路”を6車線化! 国道14号「両国拡幅」計画はどうなった!? 都心近くで進行中の”ボトルネック”解消プロジェクトとは

墨田区内の国道14号を、4車線から6車線へ拡幅する「両国拡幅」事業が進行中です。どう便利になり、どこまで進んでいるのでしょうか。

まだまだ「信号待ち渋滞」激しい国道14号

 墨田区・江東区・江戸川区の主要東西軸を担う「国道14号」(京葉道路)ですが、一部で片側2車線であることや主要交差点が連続するなどで、慢性的な渋滞に悩まされています。
 
 この国道14号を、4車線から6車線へ拡幅する「両国拡幅」事業が進行中です。どう便利になり、どこまで進んでいるのでしょうか。

渋滞する両国エリアの国道14号(画像:国土交通省)
渋滞する両国エリアの国道14号(画像:国土交通省)

「両国拡幅」の対象エリアは、両国橋を含め、JR総武線の両国駅~錦糸町駅に相当する、計1.9kmの区間です。

 ここだけ4車線のままだったため、渋滞が起きやすくなっていました。管轄する東京国道事務所によると、この区間の死傷事故率は「全国平均の約2倍」という状況で、「追突事故」が事故のうち最多で、約4割を占めているといいます。

 特にひどい「緑一丁目交差点」は、先行して改良工事が完了しました。左折レーンと右折レーンを設置して片側5車線体制になり、右左折待ちで車線が詰まるのは緩和されました。いっぽうで残された東隣の「緑三丁目交差点」は、依然として渋滞ポイントのままです。

 さて、気になる進捗ですが、残る本線部分の6車線化に向けて長いあいだ「調査設計、用地買収、環境整備」の状況が続いています。2024年度の予算は10億円が割り当てられています。

 両国拡幅の事業化は1998年。まずは緑一丁目交差点改良の用地取得が、2012年にようやくはじまり、2020年に完了を迎えました。

 事態が動いたのは2018年、都市計画事業の事業承認が下り、土地収用法が適用されることとなりました。それまでよりはスピーディーに事業が進んでいくと思われますが、現地ではまだ更地化した事業用地がほとんど見られず、道半ばといった様相です。あまりにも目立った動きが無いため、墨田区議会や中央区議会、都議会でも全く取り上げられていません。

 とはいえ、用地取得率は2017年度で「11%」だったのが、2022年度には「27%」と、着実に進んではいます。特に緑一丁目周辺では、取得率は54%と、半分超えの状況に達しています。

 国道14号では現在、東側にある小松川地区(荒川東岸)で、交差点を高架橋でまたいでいく「亀戸小松川立体」の小松川工区の工事が進められています。国によって「2021年から5か年程度で開通させるべき」とされており、まずはこちらから先行して完成させる構えです。

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