高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 「キャラバン マイルーム」実際に「泊ってみた」印象とは

1台でいろんな楽しみ方が可能な「お得なクルマ」!?

 室内のシートアレンジなどを紹介していきましょう。まず後席は、新型キャラバン マイルームのオリジナル「2in1シート」に変更されています。

 シートの表面と裏面で硬さの異なるクッションパッド構造を採用し、簡単な操作で「ドライブモード」「ベッドルームモード」(硬め)、そして「リビングルームモード」(柔らかめ)の各モードにアレンジ可能。

 脱着式のテーブルは前後へスライドすることができ、各モードに応じた様々な使い方が可能となっていて、リビングルームモードの場合ソファのようなかけ心地とともに、文字通りリビングのようなくつろぎが楽しめます。

 ドライブ中にクルマを景色の良い場所に停めれば、そこが即リビングになるというのは、非常に贅沢な体験といえます。

壁に収納された状態の「MYROOM跳ね上げベッド」はきしみ音などもなく高いクオリティの仕上げで、軽い操作によって展開できます
壁に収納された状態の「MYROOM跳ね上げベッド」はきしみ音などもなく高いクオリティの仕上げで、軽い操作によって展開できます

 そして車中泊用ベッドは「折りたたみベッド」と、架装オプション「MYROOM跳ね上げベッド」の2つの仕様から選択できますが、試乗車は後者でした。

 普段は壁側に収納され、使用する際にはワンアクションでベッドが展開される優れモノです。

 後席シートをベッドルームモード(フルフラット)にしてつなげると、ベッドの長さ2192mm、幅1204mmという広大な「寝床」が誕生します。身長180cmの筆者でも余裕たっぷりで、大人2名の就寝も十分できそうです。

 ミニバンなどのシートアレンジでも、セカンドシートとサードシートなどをつなげてフルフラットな寝床をつくることはできますが、シート形状の立体的な起伏が影響し寝返りを打つのもしんどく、そのまま寝るのは厳しいもの。

 その点、新型キャラバン マイルームのベッドはほぼ真っ平らで、寝心地はやや硬めですが、キャンプ用マットなどを敷かなくてもまったく問題なく、ひと晩快眠することができました。

 ただしキャンピングカーのような本格的な断熱処理などは施されていないので、真夏や真冬は対策を練る必要がありそう。

 車中泊でひと晩じゅうエンジンをかけっぱなしにするのは絶対にNGです。

 車載の外部電源システムを利用し、RVパークやオートキャンプ場の電源付きサイトなどで100V電源を取り入れて、ホットカーペットなどの家電製品を有効活用するのが良いでしょう。

 なお市販のキャンピングカーでは、前述の断熱に加え、エンジンを停めていても使える灯油式のFFヒーターや、走行用とは別の車載バッテリーを使用するクーラーなどで、年中快適機能が稼働するクルマもありますが、そのぶんかなりの重装備になり、価格もグンと上がります。

 その点で新型キャラバン マイルームは、通常のキャラバン(標準幅・標準ルーフ)とまったく同じ4ナンバー枠に収まるコンパクトなボディという気軽さが特徴で、日常は仕事や買い物に使える実用車として使えます。

 それでいて週末は旅先で他にはない「非日常」が味わえるのです。1台で多彩な使い方ができて、むしろお得なクルマなのかもしれません。

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