道路に引かれた「いろいろな線」なぜ白や黄色で描かれる? いつ誰が引いている? 「白線」「黄色線」の正体とは?
どうやって道路に白線を引いている?
では、白線はどのようにして道路に引かれているのでしょうか。施工会社に勤務していたA氏に話を聞いてみました。
「道路に引かれる区画線は、液体塗料を用いた『ペイント型』と呼ばれる施工法と、粉体塗料を熱して使用する『溶融型』があります。
『ペイント型』は主に高速道路や一般道の区画線に使用され、『溶融型』は区画線だけでなく道路標示や横断歩道などにも使用されます」
ちなみにペイント式には専用の手押し機械で行うハンドガイド式、専用車で運転しながら施工する車載式があり、白線を引く場所や距離によって使い分けているのだそうです。
また溶融式は、粉末塗料を180~220度に加熱し液体化させてから専用機械でラインを描き、冷めると固体になる原理を利用しています。
「使用する液体塗料と粉体塗料は、成分こそ異なるものの基本的には顔料と合成樹脂が主成分になっています。
液体塗料は塗膜厚が薄くなりますが、粉体塗料は1.5mm程度の厚みを持たせて施工されます。
また区画線で使用される白線の塗料は、夜間でもよく見えるように小さなガラスの粒(ガラスビーズ)が含まれており、夜間はライトによって反射することで視認性を高める工夫もされています」(A氏)
では、この区画線や道路標示はどのようなタイミングで施工されるのでしょうか。
「これは、交通量などの諸事情を踏まえて変わります。施工しても乾燥させる時間が必要ですので一般的には昼間施工しますが、施工箇所によっては渋滞が発生しないように夜間に行うこともあります」(同)
もうひとつ気になるのは、耐久性です。交通量や除雪の有無などで大きく差があるようですが、クルマが通行するほどに少しずつ摩耗が進んで削られて薄くなっていきます。耐久性の目安は、液体塗料によるペイント式が3か月~6か月程度、溶融式が約1年程度だそうです。
このように区画線や道路標示はかなり過酷な状況に置かれているため、道路工事があちこちで行われているのは仕方がないのかもしれません。
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白線や黄色線は、単に塗料をペイントしたものではなく、耐久性と視認性に優れた特殊塗料でプロによって仕上げられていることがわかりました。
ただし使用している塗料の性質的に、濡れると一般的なアスファルトより滑りやすい特性があると言われます。
特に雨の日はなるべく踏まないように、安全な速度と間隔をもって走りましょう。
「斜道」「液体燃料」「白泉」あたりは誤字ではないかな
この度はご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
近年の区画線は線と線の間に5㎝ほどの隙間を付けて、排水性を良くする工夫もされています。基準書として、区画線設置要綱に詳しく記載されています。また、交差点のゼブラゾーンなど標準車両の軌跡をもとに施工されています。参考までに