日産が「最後のR35 GT-R」を発表! 17年の歴史に幕… そもそも「GT-R」は何がスゴかった? 「55年間」の歴史とは

「3度目の復活」を果たしたR35型 そしてまた終焉へ

 そんな第2世代GT-Rですが、2002年に排気ガス規制などを理由に再度幕を閉じます。

 この2002年はGT-Rのみならず、トヨタ「スープラ(A80型)」や日産「シルビア(S15型)」、マツダ「RX-7(FD3S型)」など、多くのファンを持つ人気スポーツカーが相次いで生産終了しており、「魔の2002年」と言えるでしょう。

 それから5年が経過した2007年、「スカイラインGT-R」の後継モデルとして「GT-R」が登場。いわゆる5代目として、BNR34型に続くR35型という位置付けではありますが、車名には「スカイライン」の名称がつかず、独立したブランドとして展開されます。

匠の手によって組まれる「VR38DETT」ユニット
匠の手によって組まれる「VR38DETT」ユニット

 R35型はマッシブだった先代よりもスタイリッシュなデザインになっており、フロントからリアへと流れているような吊り目のヘッドライトが大きな特徴。

 ボディサイズは全長4655mm×全幅1895×全高1370mm、ホイールベースは2780mmと、先代よりもサイズアップしています。

 パワートレインはRB26DETT型ではなく、新開発の3.8リッターV型6気筒ツインターボ「VR38DETT」型を搭載。1台ずつ専門の職人が手作業で組み上げ、ノーマルで最高出力480馬力、最大トルク60.0kgf.mをたたき出す珠玉のエンジンでした。

 また、5代目GT-Rは2ペダル(AT)なのも特徴のひとつ。6速デュアルクラッチトランスミッションを採用し、パドルシフトで変速する「セミオートマチックモード」を搭載数など乗りやすいモデルへと仕上がっています。

 さらに、世界初の独立型トランスアクスル(車両前方にエンジンを配置し、クラッチやトランスミッション、トランスファーを車両後方に搭載する仕組み)の採用も、R35の特徴です。

 このほか、進化した四輪駆動システムや、パンクした後でもしばらく走ることができるランフラットタイヤを採用しました。

「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトのとおり、高性能であるだけでなく、誰でも安全に運転が楽しめるクルマという新たな側面も持ったのでした。

 その走りは国内はもちろん、海外でも高く評価されました。特にアメリカやヨーロッパでは、欧米の何億円もするスーパーカーに匹敵する性能でありながら購入しやすい価格で、上質感も打ち出したことで高い人気を誇ります。

 2007年のデビュー以降、R35型は幾度ものマイナーチェンジが行われており、性能やグレードラインアップも変化しています。

 デザイン一新だけでなく、パワーユニットなど走行性能の向上や、豪華な内装の仕立てが特徴のモデルを用意するなど、常に進化を続けてきました。

 先日発表された2025年モデルは、ベースグレードの「Pure edition」を筆頭に、特別モデルの「Premium edition」、ハイパフォーマンスモデルである「Track edition」など計6グレードを設定しました。

 ほかに日産のモータースポーツ技術で培われた「NISMO」ブランドの専用チューニングを施した「GT-R NISMO」シリーズが2グレード用意されています。

 価格(消費税込)は最も安価な「Pure edition」で1444万3000円、最高額は「GT-R NISMO special edition」で3061万3,000円です。

 2007年の登場当初はベースモデルが777万円でしたから、倍近い値段になってしまっています。

 なお、中古市場では15年落ちのベースグレードモデルで500万円以上のプライスが付けられています。

 出力向上などが図られた新しめのモデルなら1000万円以上は当たり前の相場で、台数限定モデルで状態が良いものは2000万円以上。「誰でもスーパーカーライフが楽しめる」クルマですが、手に入れるのは簡単ではないようです。

 そんなR35型GT-Rも、今回の2025年モデルを最後に生産が終了するとアナウンスされ、またしてもGT-Rの歴史に終止符が打たれることとなりました。

 部品供給の目処が立たなくなったことが主な理由ですが、17年間もの長い間、最高峰のスポーツカーとしてラインナップされるという異例のモデルとなりました。

 日産によれば、次期GT-Rの研究開発も検討しているとしており、いつの日か復活した“日の丸スポーツカー”GT-Rがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、大いに期待したいところです。

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Writer: 大西トタン@dcp

(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。

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