ホンダの人気軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」は、軽のみならず、普通乗用車を含めた国産車全体においても、2022年と2023年の2年連続で首位を獲得する、まさに絶対王者というべき存在。
　
　しかし2024年2月の軽自動車販売台数ランキングでは、ライバルのスズキ「スペーシア」がほぼ同等の販売台数に迫ってきました。SNSなどではさっそく、この変化に反応する多くの声が寄せられているようです。

　現在、軽自動車において最も売れているのは、後席にスライドドアを備え、全高が高い軽スーパーハイトワゴンのカテゴリーです。

　そのなかで、2023年もトップを獲得し9年連続の軽自動車新車販売台数ナンバーワンとなったのがN-BOXです。

　例えば2023年の1年間の販売台数では、1位のN-BOXが23万1385台であるのに対し、2位のダイハツ「タント」は15万9392台と、2位の1.5倍近くも売れています。

　ちなみに3位は12万2275台を販売したスペーシアでした。

　そんなダントツ1位のN-BOXですが、2024年2月の販売台数では1万6542台と、1万5066台を記録した2位のスペーシアに肉薄される結果になっています。

　N-BOXは2023年10月に、スペーシアも同11月にそれぞれフルモデルチェンジしたばかりの新型車です。

　しかも従来のスペーシアシリーズの中で、販売シェアの2割から3割近くを占めるというSUVタイプ「スペーシア ギア」は、まだフルモデルチェンジが行われていない状況のなかでの出来事だっただけに、衝撃が走りました。

　とある軽自動車販売店は、次のように話します。

「N-BOXのなかでも高い人気を誇る上級仕様の『N-BOX カスタム』に対し、新型デビュー直後の注文が集中したことで、納車が遅れたという、一時的な現象の結果ではないでしょうか」

　したがってまだ、早計に結論を出す時期ではないとしています。

　SNSなどでは、そんな軽スーパーハイトワゴンのし烈な販売合戦に対し、様々な意見が寄せられています。

　なかでも新型スペーシアに対し「質感が良くなった」「新鮮な印象」「ずいぶん進化したみたい」と、高い評価を与える声が多いようです。

　対する新型N-BOXは「手堅いモデルチェンジ」「派手さはないけど悪くはない」などと、一定の評価を与える声が多いものの、「キープコンセプトで出てきたから、現行ユーザーが（乗り換えを）急ぐ理由に乏しい」など、厳しい意見も見られます。

　一方で「既に多くの人に行き渡っているし、代替需要は相当数ありそう」というように、結果としてまた多く売れていくと予想する声も少なくありません。

　また、ダイハツが国土交通省による出荷停止指示を受けていた期間があったことから「タント出荷停止の影響もあるのでは」と指摘する意見も見られます。

　さらに「うちの近所のホンダでは、新型N-BOXは短納期だと聞いた。あまり売れてないのかと心配」という声もあります。

　いずれにせよ、全国の販売ディーラーが決算期を迎え、年間で最もクルマが売れるとされる3月商戦を経たあとの販売台数推移が出れば、より正確なライバルの人気動向を見極めることができるでしょう。

　2024年3月度の販売成績が、今から大いに気になるところです。