ブリヂストン新「レグノ GR-XIII」はどう進化した? 乗ってわかった“令和時代のプレミアムタイヤ”の方向性とは

タイヤの軽量化が走りにも効いている

 一般道ではトヨタ「プリウス(HEV)」とBMW「i4(BEV)」を運転しました。

 舗装が荒れた路面でも直接的なショックは伝わってくることなく、軽くいなしている感じがあります。段差でも衝撃は小さく、これまでのレグノと比べても明確に良くなっているのがわかります。

 パターンノイズなどが完全に消えているわけではないのですが、かなり静かになっていました。特にBEVの場合はエンジン音がしないため、静かなタイヤは大歓迎です。

「レグノ GR-XIII」を履いてテストコース内のスラロームを中速で走行するメルセデス・ベンツ「EQE」
「レグノ GR-XIII」を履いてテストコース内のスラロームを中速で走行するメルセデス・ベンツ「EQE」

 乗った印象では、タイヤが軽くなり、エンベロープ(トレッド面のたわみ)しやすくなっていますが、実際にタイヤ重量は4本で4kgほど、つまりタイヤ1本で1kgも軽くなっているといいます。これは画期的なことだと思います。

 タイヤの軽量化は快適性向上にも効果がありますし、ハンドリングでも走りの性能は向上します。

 さらに低燃費性能とウエット性能は両者高いレベルに達しています。

 低燃費タイヤのグレーディングでは転がり抵抗「AA」が29サイズ、「A」が24サイズになり、ウエット性能に関しては全サイズ「a」を獲得しているから優秀です。

 ハンドリング面は、一般道ではもちろんまったく問題ありませんが、テストコース内で思い切り走ることができる機会だったのでチェックしてみました。

 メルセデス・ベンツ「EQE」での中速でのスラロームでは、従来品のGR-XIIと比較して、格段にグリップアップしていることを実感しました。

 ハンドルを切っていったときの応答性が明確に良くなり、大舵角(だかく)でもよくついていきます。さらにフロントが食い込んでくるだけでなく、リアもしっかりと踏ん張ってくれるので安定性が高くなりました。ちょっとやそっとではグリップは破綻しないので、多くのドライバーが安心して乗れるでしょう。

 ただしまったく欠点がないわけではありません。一般道でもテストコース内でも直進時の微小操舵の反応がクルマによりバラついていたのが気になりました。

 BMW i4ではニュートラル感がやや曖昧な感じになり、速く大きめの操舵、とは言っても車線内の動きで応答遅れを感じることがありました。このあたり、手応えとともにピシッと決まってくると、運転する楽しさも増すと感じます。

 いずれにしろブリヂストンの製品開発は、エンライトン技術により次のステージに上がりやすくなりました。これはゴムを極める、接地を極める、モノづくりを極める、サステナブル化をいち早く推進という大きな流れに乗ることができるからです。

 このエンライトン技術により、ブリヂストンのタイヤが今後どこまで成長していくか、楽しみです。

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