ホンダの「新型軽バン」に期待! 「N-VAN」とは違う“画期的モデル”がスゴい… デメリットを解決する「新型MEV-VAN」とは
ホンダが実証実験で使用する軽商用EV「MEV-VAN Concept」とは、どのようなクルマなのでしょうか。
有用な「交換式バッテリー」搭載でEVのデメリットを最小化
ホンダは2024年春に、新型軽商用EV「N-VAN e:」の発売を予定していますが、このN-VAN e:とは異なる軽商用EVの試験も行なっています。
市販化に関しては未定ではあるものの、EVのデメリットを最小化する画期的な機構を採用していることで期待されていますが、どのようなクルマなのでしょうか。
新型N-VAN e:は、2018年登場の軽商用バン「N-VAN」をベースにした軽商用EVです。
小型電動アクスルや大容量の薄型バッテリー採用によって、N-VANの特徴である低床構造と左センターピラーのない大開口部、フルフラットに格納できる助手席など利便性の良さを踏襲しています。
十分な荷室容量を確保しながらも、航続可能距離210km(WLTCモード)を目指して開発され、停電・災害時などに合計1500Wまでの電化製品を使用できるほか、住宅などへ給電するV2H(Vehicle to Home)にも対応するなど、使い勝手も向上させています。
また、エンジンを搭載しないEVの特徴とも言える低振動・低騒音といったメリットに加え、荷物をフル積載してもN-VANのターボエンジン搭載車と同等の加速性能を持つ動力性能も確保しました。
こうした優れたスペックを持つことで発売を前に期待が高まっていますが、この新型N-VAN e:とは異なる「MEV-VAN Concept(エムイーブイバン コンセプト・以下MEV-VAN)という軽商用EVも開発されています。
新型MEV-VANはホンダとヤマト運輸が2023年11月から群馬県で実証実験を行なっているコンセプトカーです。
ホンダとヤマト運輸は、2023年6月から8月にかけてN-VAN e:を用い、集配業務においてEVの活路を見出す試験を実施しています。
その際に、バッテリー充電による待機時間の発生や、夜間の一斉充電による電力使用ピークの偏りなど、さまざまな課題が浮き彫りになり、バッテリーを交換して運用するEVの有用性が示唆されました。
この結果を経て開発されたのが新型MEV-VANで、通常のEVのように脱着の出来ないバッテリーではなく、交換式リチウムイオンバッテリー「モバイルパワーパックe:」を採用していることが特徴です。
モバイルパワーパックe:は、2018年にホンダの電動二輪車に初採用されて以来、三輪電動スクーターなどにも搭載されたほか、モビリティだけでなくさまざまな機器に搭載できるバッテリーです。
重さ10kg程度で縦298mm×横177.3mm×幅156.3mmと、交換も容易な小型かつ軽量でありながらも、1314Whの大容量を実現しています。
さまざま用途での活用を見据え、防水や耐衝撃といった高耐久性能も追求し、制御ユニットを搭載することで、バッテリーに発生した事象を記録できる機能も有しています。
MEV-VANでは、適宜充電されたモバイルパワーパックe:を載せ替えて使用することで、充電が終わるまで走行できない点や、業務に使用しない夜間などで充電することによって一斉に電力を消費する点などのEVのデメリットを最小限に抑え、効率的なエネルギーマネジメントの実現に貢献するといいます。
2023年10月28日から開催された第1回ジャパンモビリティショーでは、ホンダのブース内で出展されると、注目の存在となっていました。
一方、MEV-VANの市販化については言及されておらず、現段階においても実証実験にとどまっています。
新たなEVの選択として実験の結果や市販化の有無についても、期待されるところです。
エンジンが必要ないならボンネットバンである必要もないので廃版のアクティのボディー形状を引き継いでも良かったのではと。
軽バンの中では室内長が短いN-VAN(ボンネットバン)のBEV方式の位置づけ。どうせならラジエーターもエンジンルームのスペースをも考慮しないホンダらしい未来的なボディー形状に期待したい。
せっかくなのでエンジンルームはトランクとかクール庫(冷蔵・冷凍)として利用されても面白いかも。