トヨタ新型「クラウンマジェスタ」登場! 5年ぶり「サブネーム」復活!? 海外で再び設定も「セダン」じゃない
かつての日本にはトヨタ「クラウンマジェスタ」と呼ばれるモデルが存在していました。これは通常のクラウンとはどのように異なるのでしょうか。
新型クラウンマジェスタ、その登場の背景は?
トヨタ「クラウンマジェスタ」が復活を果たしました。
かつてクラウンのグレードとして設定されていた「マジェスタ」はどのような形で登場したのでしょうか。
グローバルモデルとして世界各国で販売されているトヨタ「クラウンクロスオーバー」。
日本では「G」や「RS」、北米では「リミテッド」や「プレミアム」といったように、そのグレード名については販売される市場によって微妙に異なります。
そして、クラウンシリーズにとって新たな市場となるサウジアラビアでは、最上級グレードに「マジェスタ」というグレードが設定されています。
往年のクラウンファンにとって「マジェスタ」という響きが特別の意味を持ったものであることは言うまでもありません。
クラウンに対して、はじめて「マジェスタ」という名称が与えられたのは、9代目となるクラウンが登場した1991年のことです。
この時登場したクラウンマジェスタは、9代目クラウンと同時に発表されたこともあって数あるグレードのうちのひとつと考えられることも少なくありませんでした。
しかし、4リッターV型8気筒エンジンが設定されていたり、エレクトロマルチビジョンや運転席エアバッグが標準装備されていたりと、そのほかのクラウンに比べて明らかに格上の仕様となっていました。
クラウンマジェスタが、単なる上級グレードとしてではなく、当時のクラウンシリーズのトップに君臨するモデルとなったのは、1988年に登場した「セルシオ」が大きく関係していると言われています。
北米市場におけるプレミアムブランドとして立ち上げられた当時のレクサスですが、そのフラッグシップモデルとして華々しくデビューしたのが「LS」でした。
欧米の高級車とは異なるコンセプトでつくられたLSは、これまでの日本車のイメージを良い意味でくつがえす快進撃を見せ、その後のレクサスの躍進の礎を築きました。
一方、当時の日本にはレクサスブランドが導入されていなかったため、日本市場におけるLSは、トヨタブランドからセルシオの名で販売されることになりました。
ただ、セルシオの導入は、クラウンの立場をあいまいにしてしまう可能性をはらんでいました。
トヨタ「センチュリー」を別格とすれば、クラウンはトヨタの誇る最高級車として長年にわたって君臨してきました。
しかし、欧米の高級車に匹敵する機能装備を持ったセルシオが導入されることで、クラウンの存在がかすんでしまうことが懸念されます。
そこでトヨタは1989年9月、8代目クラウンに新開発の4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「4000 ロイヤルサルーンG」をラインナップにおける新たな最上級グレードとして設定。
そのおよそ1か月後、同じ4リッターV型8気筒エンジンを搭載したセルシオが国内デビューを果たします。
ただ、この新開発のエンジンを初めて採用したのはあくまでクラウンであり、クラウンは国産最高級車としての面子を保ちました。
その後登場したクラウンマジェスタは、この「4000 ロイヤルサルーンG」の事実上の後継モデルです。
つまり、セルシオがラインナップに加わってもなお、クラウンが国産最高級車であることを担保するということが、当時のクラウンマジェスタの使命だったというわけです。
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その後も、クラウンのフルモデルチェンジに合わせて「マジェスタ」と名の付くモデルが展開されていきました。
通常のクラウンと共通する点も少なくないものの、V型8気筒エンジンをラインナップしている点やクラウンをしのぐ機能装備を持っていることなどが歴代のクラウンマジェスタの特徴となってきました。
一方、2013年に登場した14代目クラウンからは、独立したモデルではなく、「ロイヤル」や「アスリート」と並ぶクラウンのなかのシリーズのひとつとなりました。
そして、2018年に登場した15代目クラウンでは、ついに「マジェスタ」の名が消滅してしまいます。
2022年に登場した16代目クラウンにおいても、日本国内でその名は復活していません。
ユーザーの趣味嗜好や市場環境が変化したことで「国産最高級車」という概念自体があまり意味を成さなくなったことがひとつの要因であると考えられます。
そのため、サウジアラビアで販売されているクラウンマジェスタと、かつて日本で販売されていたクラウンマジェスタの間には直接の関係はないと言わざるを得ません。
ただ、いまでもクラウンマジェスタの復活を望む日本のユーザーは根強いと言われており、今後の展開に注目が集まっています。
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