トヨタ博物館（愛知県長久手市）は、2024年1月26日から6月30日にかけて特別企画「お蔵出し展」を開催しています。
　
　同イベントは、普段は展示されないトヨタ博物館の希少な保管車両を「蔵出し」し公開するというもので、今回の展示車両には日本で販売されていないレア車の「アイゴ」も含まれています。

　アイゴは、トヨタが欧州向けに展開していたコンパクトカー。現在も後継モデルが「アイゴX」と名を変えながら販売され続けています。

　日本におけるトヨタのラインナップで最もコンパクトなクルマは「ルーミー（全長3700mm）」ですが、アイゴはさらにそれよりも小さく、今回展示される初代モデルは全長3455mm×全幅1615mm×全高1460mmと、いわゆるAセグメントサイズ。

　そんなアイゴは欧州市場での販売競争に打ち勝つべく、プジョー、シトロエンを販売するPSAグループ（当時）とトヨタで共同開発され、徹底したコストカットにより7040ポンド（英国仕様／当時のレートで約90万円）からという低価格を実現。生産は東欧の国チェコの工場で行われました。

　初代アイゴのパワーユニットには、最大出力68馬力・最大トルク9.8kgf・mを発揮する1リッター直列3気筒ガソリンエンジンおよび最大出力55馬力・最大トルク13.3kg・mを発揮する1.5リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、全モデルとも前輪を駆動し走行するFF車となっていました。

　特徴は、先述の低価格を実現するための割り切った装備にあり、後席のサイドウィンドウは一般的な“上下開き式”ではなく“ポップアップ式”。

　内装も一部は鉄板むき出しになるほか、リアのハッチバックドアはガラス自体が開く構造を採用するなどコスト低減に工夫を凝らしたことで、同時に車体重量が900kgを切る軽量化と低燃費性能も手に入れていました。

　現在日本で販売されるコンパクトカーは、エントリーグレードであっても装備の充実したモデルが多く見られますが、その一方で新車価格の上昇について問題を呈するユーザーからの声も存在します。

　もしこの初代アイゴのように、装備を厳選しつつ低価格を個性とするモデルが日本市場に導入されれば、多くの人にとって新鮮に映るかもしれません。

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　トヨタ博物館では今回の「お蔵出し展」以外にも、「86 コンセプトカー展示」（2月14日-5月6日）や、「春だ!今こそオープンカー 走行披露会」（3月20日）など、貴重なクルマがお披露目される各種イベントが予定されています。