トヨタ「謎の超凄いランクル」実車展示! 公道走行可能な「黄色いヤツ」とは? 40×70大進化!
東京オートサロン2024では劇的進化!ついにナンバー取得
そんな特別なランドクルーザーが、東京オートサロン2024でナンバープレートもついて劇的な進化を遂げました。
ランクルBASEの担当者に「どこがどのように変わったのか」を伺いました。
―― ついにナンバーがついたのですね。
2023年は古いクルマ(ランクル40)でも新しいシャシ(ランクル70)をつけて「走ってみたらどうなる?」というコンセプトで単に1972年製のランクル40と2002年製(出展車は2014年再販時の車両)の70を合体させただけでした。
昨年、ブースを訪れた皆様に約束した通り、ナンバーをつけるというお約束が果たせました。
―― ナンバーはいつついたのですか。
実はギリギリで。2023年12月の下旬でした。
―― 2023昨年の仕様からどのように進化しましたか。
当然ですがナンバーを取るということは、ちゃんと動く、走れるようにしなくてはいけません。
また40が古すぎて法規要件がミートしてない箇所もたくさんあったのでいろいろな改良を施しました。
ナンバー取得(保安基準適合)に向けて、当局(運輸支局)と相談しながら作業を行いましたが、当局からは「走る、止まるなどの操作系は全部70を使ってください」との指示がありました。
2023年の車両はペダル関係、ステアリングなどそのまま40のものを使っており、ハンドルを切って動かすことはできましたが、ランクルのオフロード走破性能には程遠い状態でした。
なお、主な変更部分は以下となります。
・70のベアシャシーは40よりも長いため、40のボディを70に乗せようとすると長さが足りません。そこで、フロント部分を165mm伸ばしています。最高レベルの技術を持った匠の方が「手たたき」で綺麗に仕上げてもらいました。もちろん外から見ても全く分かりません。
・ダッシュパネルやエンジンルームと室内を分けるパネルも元の40から改造しています。
・フロントガラスは合わせガラスから強化ガラスに変更
・天井や内装の材料も難燃性のものに変えました。当時の材料を調べる上で部品メーカーに聞いても、当時はそもそも難燃性の試験もやっておらず、難燃性かどうかもわからないということでしたのでこちらで難燃性の部品を購入して燃焼試験をやってデータを作りました。ステッチ部分などはできるだけオリジナルの雰囲気を残しながら作り直しています。
・シートベルトにはリトラクター(巻き取り装置)をつけています。この部分は昨年もありましたが、強度的にはほとんど計算ができていなかったので強度計算をしたうえで、ブラケットなども補強しています。
・電圧に関しても70は12Vですが40は24Vなのでそのあたりの修正も行っています。
・ペダル類も70のシャシーに合わせるため作り直しています。このほかにもありますが主なところはこんな感じです。
―― かなりの時間と手間、そして費用が掛かっていると思いますがこの車を「40×70」として販売するお考えはありますか。
70のベアシャシは現在も生産していますが、40自体の入手が価格高騰もあり相当困難な状況となっています。現実的には販売ベースにのせることは難しいでしょう。
ですが、40×70にナンバーをつけるにあたってこの1年間やってみてすごく勉強になりました。
パーツをどう見つけてくるか?法規適合のための対応や国内のルートづくりなど。
トヨタ車体としてできることやるべきことなどもわかってきました。
※ ※ ※
現時点での市販はかなり難しいようですが、将来的にコンプリートカーとして販売される可能性もゼロではなさそうです。
数年後のオートサロンではコンプリートカーとして市販されていることを期待したいです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
40の無骨さが良い、エンジンは2.8Lディーゼルで十分です。