タイヤ「値上げ」が止まらない! 安いときに「タイヤの買いだめ」できる? 買った新品タイヤを長期保存する方法は?
各タイヤメーカーは、原材料の高騰などを理由に2024年度のタイヤ価格を約6~10%値上げすることを発表しています。値上げされる前に買い替えたほうが良いのでしょうか。
値上げ前にタイヤを買っておいてもいいの?
タイヤは使用する頻度や年数によって消耗・劣化するパーツです。
そして、クルマと路面を繋ぐ接点にもなっている重要なパーツとなっており、劣化するとその性能を十分に引き出せなくなります。
現在、クルマの平均保有率は約7年と言われています。平均的な走行距離が年間1万km程度、最終的に約7万km程度は走る計算として、一般的に約5000kmの走行でタイヤのゴムが1mm摩耗することを踏まえると、新品のタイヤの溝(約8mm)がスリップサインの出る1.6mmまでに走れる距離は、6.4mm×5000km=3万2000km程度。
もちろん使用状況にもよりますが、単純計算では1台を保有している間に、最低でも1~2回はタイヤ交換することになります。
どれくらいの頻度で交換すべきか、埼玉県のタイヤ専門店スタッフのK氏に聞いてみたところ、「走行距離が3~4万kmに満たなくても、製造から4年を超えるとゴムが硬化しはじめてグリップ力が低下するため、履き替えたほうが安心できる」とのことでした。
また、スタッドレスタイヤは柔らかめに作られていることもあり、ノーマルタイヤより経年劣化しやすいといいます。ちなみに本来の性能を発揮できるのは製造から「持って3シーズン」と言われており、ノーマルタイヤ以上に早めに交換するのが良いそうです。
多くのユーザーはタイヤの重要性を理解していると思いますが、ついつい後回しにしがちです。その理由は単純で「まだ乗れるから」。
そんななか、原材料費の高騰や流通コストの増加などによって近年タイヤの値上げが続いており、各タイヤメーカーは2024年もタイヤ価格の引き上げを予定しているようです。
すでに世界的なタイヤメーカーのひとつであるミシュランは、2024年2月を目処に国内の市販タイヤを6~10%値上げすると発表。
それならば、私たち一般ユーザーは値上げ前のできるだけ安いうちにタイヤを買っておきたいと思うのも当然でしょう。
しかし、タイヤの「買いだめ」には問題があります。
経年とともにゴムに含まれる油分が揮発し、徐々に柔軟性が失われ硬化してしまうのですが、長期保存は可能なのでしょうか。先出のタイヤ専門店スタッフ K氏は以下のように話します。
「製造年数はタイヤ選びの重要な要素ですが、メーカーは『正しい保存法であれば製造から3年は同程度の性能を維持できる』とアナウンスしています。
長期保存する場合、タイヤだけであれば温度変化の少ない暗所に平積みし、ホイールとセットの場合はタイヤの空気を半分以下にしてから平積みするのが良いです」
実際、最大手のタイヤメーカー ブリヂストンのウェブサイトにも「適正に保管されたタイヤは製造後3年間は同等の性能を保つことが確認されています」と明記されており、値上げ前にタイヤを購入しておくことも可能というわけです。
「タイヤはクルマに装着し走行による熱と摩擦力が入ってから摩耗しはじめます。そのため2021年以降に製造されたタイヤでも、未使用かつ適正に保存された状態であれば問題なく使用できます」(タイヤ専門店スタッフ K氏)
ただし、タイヤ4本を平積みで置いておける暗所を確保できるとは限りませんし、この適正に保管できる場所というのがネックになるかもしれません。
「ネットで割安に販売されているタイヤは、たぶん在庫タイヤだと思われます。それでも2年落ち程度なら性能劣化をあまり気にしなくても大丈夫でしょう。
新製品はグリップ力や耐摩耗性など性能がアップしていることが多いので、安さを取るか性能を取るかは吟味したほうが良いです」(タイヤ専門店スタッフ K氏)
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タイヤは使用せずに適正な保管を心がければ、値上げ前に購入することも可能です。しかも未使用であれば3年程度は持ち越せるとのこと。
もし近いうちにタイヤ交換を行う予定で買いだめしておく際は、使うまで適正な方法で保管しておきましょう。
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