超便利なクルマの「FMトランスミッター」 メリットしかない「画期的装備」に注意点も存在? どんな仕組みで音が出る?
カーナビやディスプレイオーディオがなくても、「FMトランスミッター」があればスマートフォンと連携して音楽を聴くことができます。いったいどういう仕組みの製品なのでしょうか。
現代的なカーオーディオ環境を低予算で構築できる救世主
車内における音楽環境は時代とともに移り変わっており、昨今はカーナビまたはディスプレイオーディオにスマートフォンやデジタルオーディオプレイヤーを連携させ、音楽を聴くのが一般的になっています。
サブスク契約した音楽配信サービスを利用し、これらの機器を連携させることによって、ドライブ中に好きな曲を鑑賞している人も多いのではないでしょうか。
こうした方式で音楽を楽しむには、対応した高額なカーナビや最新のディスプレイオーディオが必須なのかというと、決してそんなことはありません。
ラジオ機能が付いているカーオーディオと安価な「FMトランスミッター」があれば、カーナビやディスプレイオーディオを装着できない旧車やシンプルな装備の商用車などでも、スマホなどと接続して最新の音楽環境を構築することができるのです。
そんな便利極まりないFMトランスミッターとは、いったい何なのでしょうか。
そもそもトランスミッターとは送信機を意味する英語で、FMトランスミッターは音声信号をFMラジオの周波数帯の電波に変換して送信する機器です。
接続機器の音声を車内のFMトランスミッターに入力し、そこから電波を送信して、カーラジオのアンテナで受信するという超短距離で完結する仕組みです。
町内会のイベントの実況や、かつてのドライブ・イン・シアターの音声などもFMトランスミッターを利用した「ミニFM」と呼ばれる放送では、FMトランスミッターと同じ原理を利用していましたが、カー用品の場合はもっと小規模なものです。
基本的にFMトランスミッター自体には音楽データは内蔵されていません。そのため別途音源を用意する必要があり、スマホやデジタルオーディオプレイヤー、あるいはフラッシュメモリやCDプレイヤーなどを接続して使用します。
そんなFMトランスミッターにはいくつかの種類があるのですが、おおまかにいうと「給電方法」と「接続方法」という2つの違いから製品を選ぶことになります。
給電方法とは、その名のとおり電気をどこから供給するかで、FMトランスミッターには「シガーソケット」「USB」「電池」の3つのタイプがあります。
主流はシガーソケットタイプですが、乗用車のDC12V電源のみでDC24V電源のトラックなどには対応してない製品もあるので、購入時には注意が必要です。
音源となる機器との接続方法についてはどうでしょうか。もっともオーソドックスなのはAUXケーブルによる「有線接続」です。
ケーブルを繋ぐだけで接続完了となる手軽さが魅力ですが、近年は接続するためのイヤホンジャックを装備しないスマホも少なくなってきており、そうした機器との接続には変換アダプタが必要になります。
それ以上に主流となっているのが「Bluetooth接続」です。ケーブルが絡む煩わしさもなく、ミニバンの3列目シートに座っている乗員のスマホと連携することも容易にできます。
接続はペアリングするだけと簡単なうえ、一度繋ぐとペアリングを記憶して二回目からは自動接続してくれる製品も増えています。
もうひとつは「フラッシュメモリ接続」で、USBメモリやマイクロSDカードなどを直接接続するタイプです。事前にフラッシュメモリに曲のデータを保存する手間はかかりますが、USBポートやSDカードスロットに差し込むだけで自動的に音楽ファイルを認識してくれるので、接続自体はとても簡単です。
なお、給電方法は3つのうちどれかひとつになりますが、接続方法は1つだけのものから3つすべてのものまで、さまざまな製品があります。昨今多いのはBluetooth接続+フラッシュメモリ接続の製品です。
FMトランスミッターはUSB端子がついて電源供給も出来て便利なものが多いですが音質に関してはピンキリで中にはオルタネーター系ノイズのような雑音を発するものがあり、FMラジオ局受信時は雑音がないのにトランスミッターで設定した周波数ではノイズ混じりになることがあります。シガーソケットから車両の電源系からのノイズを拾って音楽と共にFM変換してしまうのでしょう。AUXの入力端子やBT、USB入力が有れば良いけど他に外部ソースの入力が無いような古いカーオーディオではFMトランスミッターを使うしかないのですが。
ラジオキー局に合わせてきてジャミングしてくる奴なんなんマジで。