走行中にタイヤが外れる!? 恐ろしい「脱輪事故」なぜ起きる? タイヤ交換時にやってはいけないNG行為とは?

タイヤ交換時にやってはいけないこととは?

 左側にやや傾いている日本の道路を走行する以上、誰でも脱輪する可能性があるといえます。ただし、北海道の事故ではそれ以上に根本的な部分で問題があった可能性をT整備士は指摘します。

「推測はあるものの、一番の原因はナットにあったのではと考えられ、ナットの取り付け面がホイールの形状にマッチしていなかった可能性もありそうです。

 社外ホイールへの交換などでよく起こる事例なのですが、たとえば純正ホイールに使用するナットの取り付け面が微妙に球面状になっていることがあります。

 または純正ホイール側が微妙に曲線の場合もあり、つまりネジのオスとメスの関係で、ホイールハブとナットの接点が合っていないと、そこから緩み出してしまうのです。

 よく社外ホイールに交換する場合、適正トルクで締めているか『トルク管理』にこだわることは多いのですが、それ以前にナットの形状がしっかり適合しているかを確認する必要があります」(T整備士)

タイヤの日常点検は大切
タイヤの日常点検は大切

 では、タイヤの脱輪を予防するにはどうしたら良いのでしょうか。

「まずは、使用するナットとホイールの形状が適合しているかを確認してください。

 特にスタッドレスタイヤへの交換時や社外ホールの装着などでは、ナットの径が同じで締まるということだけでなく、面同士がしっかり合っているかのチェックをしてほしいです」(T整備士)

 ナットの締め方にも注意が必要です。自分でタイヤ交換する場合、1つずつジャッキアップすると思いますが、ナットを締める前にタイヤが地面に接触していると微妙に角度がついたまま取り付けてしまうことになります。これは整備初心者にありがちなミスでもあります。

「締め方にもポイントがあり、1つのナットを最初に締め上げるのではなく、均等かつ徐々に締める必要があります。

 この手順を守らないと微妙に角度がついてしまい、偏摩耗や脱輪の危険性が高くなるので注意しましょう」(T整備士)

 自分で作業できないという人は販売店やガソリンスタンド、カー用品店などにタイヤ交換を依頼することになりますが、プロだからと信用して任せたつもりが、雑に扱われて傾いた状態で取り付けられてしまうことも無きにしも非ずだといいます。

「雑に取り付けられてしまうと、ネジ山をなめてしまったり、取り外しづらくなってしまうこともあります。

 タイヤ交換直後は真っ直ぐ走れるか実際に走行して、ハンドルが取られるかなどを確認してほしいです」(T整備士)

 また、装着後に高速巡航を少し試してみたほうが良いとT整備士はいいます。というのも、高速巡行によってホイールやナットが熱膨張し、その後冷えることで緩みが発生することもあるからなのだそうです。

「高速道路を少し走ったのちに改めて適正トルクで締め直すことで、より外れにくくなると思います。

 よく『高速道路を走る前には空気圧とナットの締め具合の確認を』と言われるのは、この熱膨張の影響を考慮する必要があるからなのです」

※ ※ ※

 冬の時期はスタッドレスタイヤを履いたり、春になったらノーマルタイヤに戻すなど、タイヤの取り外しが増えるタイミングです。

 無事に交換できたと安心せず、今一度ナットの締め具合をチェックすることで、脱輪事故が予防できるのではないでしょうか。

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2件のコメント

  1. 道路形状だけか?左側はナットの締め付け方向と回転方向が逆になります。しっかり絞めてないと緩みやすくなるのが、抑々の原因だと私はお思ってますけど。
    トラックなら毎日の始業点検。乗用車なら取り換え後数km走った後にマス締めを。これが鉄則!
    今回事故起こしたジムニはトレッド広げるためにタイヤホイルのオフセットではなく取り付けドラムとホイル間にスぺ-サ-カマしたことで、ボルトの強度不足が発生したと思われます

    • 追記です
      F1などのレ-シングカ-は左側のタイヤ取り付けボルトナットは左ねじです。理由は急発進、急減速繰り返すとネジが緩むからだそうです。一般車は右も左も、右ネジです

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