トヨタ新型「コンパクトFRスポーツカー」世界初公開!? 6速MT搭載の「S-FR 屋根なし仕様」を学生が製作 1月にお披露目へ

「東京オートサロン2024」で埼玉自動車大学校は、市販間近といわれながら幻となったトヨタのコンセプトカー「S-FR」をオマージュしたカスタムカーを出展する予定です。どのようなモデルなのでしょうか。

「S-FR」がオープン仕様になった!?

 埼玉自動車大学校(埼玉県北足立郡伊奈町)のカスタムボディ科は、公式X(旧:Twitter)やインスタグラムなどSNSに「S-FR コンバーチブル」の画像を投稿しました。
 
 これは「東京オートサロン2024」で初公開するカスタムカーですが、一体どのようなモデルなのでしょうか。

屋根がない「S-FR コンコンバーチブル」(画像提供:埼玉自動車大学校(公式)/X:@saijidai)
屋根がない「S-FR コンコンバーチブル」(画像提供:埼玉自動車大学校(公式)/X:@saijidai)

 S-FRとは、トヨタが「東京モーターショー2015」で世界初公開したライトウェイトスポーツの系譜を継承する小型スポーツカーのコンセプトモデルです。

「150万円で買えるFRスポーツ」という発想のもとに開発され、ドライバーの意図に忠実にクルマが反応し、走る楽しさを追求。

 全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mmという全長4m弱のコンパクトなボディを特徴としながら、4人が乗車可能です。

 外観は、スポーツカーらしいワイドスタンスかつロングノーズとしながらも、丸目ヘッドライトや角が取れて丸みを帯びたグリルを採用するなど、親しみやすいスタイリングを実現。

 内装は、ブラックを基調にイエローのステッチやアクセントカラーを配置。シンプルさと走りを予感させるデザインとなっています。

 エンジンスペックは公表されていないものの、フロントミッドシップに搭載され、FR(後輪駆動)レイアウトを採用。

 最適な重量配分と独立懸架のサスペンションによって優れたコーナリング性能を実現したとされ、5ナンバーサイズの軽量ボディを6速MTで意のままに操ることができるといいます。

 東京モーターショー2015での初公開されたのちに、カスタム仕様の「S-FR レーシングコンセプト」が「東京オートサロン2016」で登場。

 クルマ好きからは「いよいよ発売間近か?」と期待されたものの、現時点(2023年12月時点)でも市販化には至っていません。

 幻のクルマとなったS-FRですが、埼玉自動車大学校の学生によってS-FRのコンセプトが踏襲されたコンバーチブルモデルが製作されています。

 2023年12月19日のXへの投稿では、「S-FR convertible coming soon…」の文言とともにS-FR コンバーチブルのフロントフェイスを公開。

 そのほかにも、作業風景を随時投稿するなど、東京オートサロン2024でのお披露目に向けて、着々と作業が進められていることがわかります。

 S-FR コンバーチブルを製作した経緯について同校の担当者に聞いたところ、「コンセプトとしては『オマージュ』となります。もしS-FRが発売されていたら人気になっていただろうし、遊び心あるスポーツカーを製作したかったからです」とのことです。

 S-FR コンバーチブルのベースとなったのは、マツダ「ロードスター」の3代目モデル「NC型」。パワートレインやトランスミッションもNCロードスターをそのまま使用しており、6速MTが搭載されているといいます。

 ベースにトヨタ「86」や日産「フェアレディZ」などを使用するのはありきたりといったこともあり、フォルムや車両サイズのほか、オープンタイプであることなどを考慮した結果、NCロードスターが最適だったそうです。

 製作にあたり、外装部品はすべてマスターモデルを作ってFRP(繊維強化プラスチック)素材を用いるというこだわりも。

 また、元となる車両が存在しないので、ヘッドライトやテールライトの選択が苦労した点だといい、ヘッドライトは「ミニ クーパー」3代目(F56)のうち、2014年登場時の初期モデルの灯体にマイナーチェンジ後モデルのポジションランプを移植したオリジナル、テールランプはダイハツ「キャスト」のクリアテールを活用しました。

※ ※ ※

 世界に1台だけのS-FR コンバーチブルは、2024年1月12日に開催される「東京オートサロン2024」の埼玉自動車大学校のブースで初公開されます。

 どのようなモデルに仕上がっているのか、大いに期待されます。

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