街中で「S字・クランク」道路見たことある? なぜ「教習所」に存在? 日常で遭遇しないけど、教習所時の必ずやる理由とは

教習所のS字/クランクを練習する意味とは

 そんなS字とクランクは、生徒にとっては難しいだけでなく、実用性の低さから必要がないカリキュラムなのではないかという意見も耳にします。

 自動車教習所の教官は、この事情について、次のように話します。

「確かにS字とクランクは、教習生にとっては難しい部分のひとつかもしれません。

 日常的にクランクなどに遭遇する機会はほとんどなくとも、そこで得られる車幅感覚を、狭い道路や駐車場などで活かすことができます。

 実際に地方では、道幅も広い上に駐車場なども広く設計されているので、日常的な運転でそもそも狭い道に遭遇する機会が少ないともいえます。

 しかし、都内などの都心部では狭い道も多いため、細い道幅でのクルマの操作が求められる場面も少なくありません。

 地方の自動車教習所で合宿免許を取得したときには『必要ないだろう』と思ったとしても、都心に戻ればその感覚が生きるというのが想定できます」

教習生にとっては難しいS字やクランク
教習生にとっては難しいS字やクランク

 このように、S字とクランクの再現性そのものは低い可能性がある一方で、地域によっては求められる車幅感覚やハンドル操作を学ぶための練習と言えます。

 これらの技術を身につけることで、緊急時などにも役立つ可能性もあるため、一概に必要ないとは言い切れないかもしれません。

※ ※ ※

 S字とクランクは、特にマニュアル免許を取得する生徒にとっては「坂道発進」などと同様に、より難しく感じられる場所だと言われています。

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