トヨタが作った「天才タマゴ」が200万円超え!? 斬新デザインの走行距離12万キロ走った個体が凄い! オシャレグリーンの極上車が米に登場
米国のカーオークションサイトで、200万円を超える価格で取引されたトヨタ「プレビア(日本名:エスティマ)」とは、どのようなクルマなのでしょうか。
まさかの「天才タマゴ」が高値に!
2023年12月4日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、トヨタ「プレビア(日本名:エスティマ)」が約206万円で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回、約206万円で落札されたプレビア(エスティマ)は1990年5月に登場した4ドアミニバンです。アメリカで急増していたミニバンマーケットに対応すべく開発されたといいます。
日本においても当時はまだ商用車をベースにしたキャブオーバー型のワンボックスミニバンが主流となっており、そんななか登場したエスティマは注目の存在でした。
特筆すべきはデザインとプラットフォームで、デザインに関してはトヨタの北米デザインスタジオであるCALTYが担当。
スタイリングのテーマは「タマゴ形」で、インテリアも包み込まれるような大胆な造形のインパネを採用するなど、かなり凝ったものとなっています。
さらに、エンジンは75度傾斜させたうえ、搭載する位置をフロントタイヤより後ろ、1列目のフロア下に配置するというミニバンでは特異なミッドシップ(MR)レイアウトを採用。これにより、優れたハンドリングと広い室内を実現しました。
なお、日本においては当時「天才タマゴ」のキャッチコピーで、極めて斬新ともいえたスタイリングを前面に押し出した広告を打っていました。
1994年には通常の2.4リッターエンジンにスーパーチャージャーを追加し、135馬力から160馬力へ出力をアップしたモデルが追加されています。
販売面ではやや苦戦した傾向にありましたが、2000年登場の2代目からはタマゴ形デザインは引き継ぎながらもMRプラットフォームを廃し、通常のFF駆動となったほか、ミニバンとして正当な進化を遂げたことで一躍人気モデルとなり、トヨタの主力モデルとしてシェアを拡大しました。
投入のきっかけとなった北米ではエンジンパワー不足が災いとなり、こちらでも苦戦。一足早い1997年に、FF駆動の後継車「シエナ」として次モデルがデビューし、販売を終了しました。
今回落札されたプレビアは1996年式「LE」グレードのスーパーチャージャー搭載モデルで、走行距離は7.9万マイル(約12万6000キロ)を走行。
2021年まではカリフォルニア州でワンオーナー車として使用されており、きわめて綺麗な状態を保っています。
エクステリアは濃いグリーンの「ティールメタリック」で、バンパーやボディ側面下部は無塗装樹脂地となっています。
この無塗装部分は日焼けによって若干の白化はありますが、エクステリアは飛び石程度で目立つ傷はありません。
インテリアはグレーのファブリックですが、破れやほつれはなく、ステアリングもテカリなどもないため、大切に使われていたことがうかがえます。
床下も大きなサビはほとんどなく、機関部は2022年にオルタネーター、フューエルデスビキャップ、デスビローター、ATFが交換されるなど、メンテナンスも行き届いているようです。
このプレビアは4000ドルで開始後、24件もの激しい入札合戦を経て1万4000ドルで落札。
27年前のミニバンとしては高値で取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
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映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、特に人気なのはトヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」をはじめとする1980年代から90年代のスポーツカーです。
その一方で、今回のプレビアのような一般的な乗用車であっても、当時の世界観や雰囲気などが支持され、若者を中心に人気を博しており、高値で取り引きされることもあります。
実際にオークションのコメント欄には、「昔乗ってた」「このプレビアで育ったよ」「運転もプレビアで覚えた」など、当時を幼少期で過ごした若い世代からの入札もあったようで、極めて良い状態で残っていたこともあって高値になったと考えられます。
すでに役割を終えたと思われる古い乗用車でも、20年以上の時を経て再評価されることが増えており、こうしたモデルを好んで乗る人も少なくないようです。
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