マツダ「ロータリーエンジン車」が11年ぶりに復活! 「RX-8」以来の「ロータリーサウンド」はどう違う!?

マツダは、ロータリーエンジンを発電機として使用する「MAZDA MX-30 ロータリーEV」を2023年11月より発売しました。公道で試した「ロータリーサウンド」は、かつてのロータリースポーツカーからどう進化したのでしょうか。

「ロータリーサウンド」=「高音」とは限らない!?

 ついに、新型ロータリーエンジン「8C」のサウンドを味わうことができました。
 
 マツダが2023年11月より販売を開始した新型「MX-30 ロータリーEV」を公道でじっくり走らせることができたのです。

11年ぶりに復活! ロータリーエンジンを搭載した「MX-30 ロータリーEV」
11年ぶりに復活! ロータリーエンジンを搭載した「MX-30 ロータリーEV」

 新型MX-30 ロータリーEVは、EVの「MX-30 EV」をベースに、8C型ロータリーエンジン 1ローターを発電機として使いEV走行する、いわゆるシリーズ式ハイブリッドです。

 さらに、シリーズ式ハイブリッドでありながら外部から給電できるPHEV(プラグインハイブリッド)である点が、世界でも珍しい存在だと言えます。

 新型MX-30 ロータリーEVの技術的な詳細については、同モデルの予約受付が開始された2023年9月より少し前に、マツダが広島本社で開催した商品説明会で詳しく聞きました。

 マツダ宇品工場で8Cの部品加工工程や組立工程、さらにはMX-30 EVと同ロータリーEVの電池パックを搭載する車両組立ラインも詳しく視察しています。

 その際、最も気になっていたのは8Cのサウンドだったのですが、実車が8C作動状態で走行する様子を確認する機会はありませんでした。

 唯一、8Cの音を聞いたのは、エンジン組立の最終工程での仮ベンチテストでしたが、その際の音は「やや低め」という印象を持ちました。

 一般ユーザーにとってロータリーエンジンは「甲高いエキゾーストノート(排気音)」というイメージが強いでしょう。

 実際、マツダが9月に富士スピードウェイで実施した全国規模のマツダファンミーティング「ファンフェスタ 2023」でも、1991年ルマン24時間総合優勝を果たした「787B」がメインストレートを甲高い音で駆け抜けていきました。

 同マシンには、4ローターの「R26B」が搭載されています。

 また、「ロータリークーぺ」、「RX-3」、「RX-7」などマツダ歴代スポーツカーのレーシングマシンやチューニングカーでは、「10A」や「12A」、そして「13B」などでの高回転で甲高い音の印象が強く残っている人が少なくないでしょう。

 ただし「マツダ100年史」によると、ロータリーエンジンはシングルローターでは低い音がするということです。

 そうした情報をもとに、8Cサウンドへの期待を込めてMX-30 ロータリーEVを約3時間、高速道路や一般道で走らせてみました。

音の印象は、3つの走行モード(EV/ノーマル/チャージ)で違いがありました。

 またバッテリーの残量(SOC:ステート・オブ・チャージ)によっても、違いを感じたのです。

 SOCが高い状態で、アクセルを強めに踏んで加速してみました。

 EVモードではEV走行が続きます。

 次にノーマルモードでは、走行速度が高くなると、かすかに8Cが始動したような感じがしますが、「エンジンがかかった」という唐突さはありません。

 EVモードに対して「8Cサウンドが乗っかってくる」感じです。音色としては甲高さはありませんが、けっして低過ぎるといった印象でもありません。

 EVモーターとロータリーのサウンドは「相性が良い」と言えます。

 充電を重視するチャージモードで、同じように加速してみると、8Cの音量が少し多めになったような印象がありました。

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