マツダ「ロータリーエンジン車」が11年ぶりに復活! 「RX-8」以来の「ロータリーサウンド」はどう違う!?

「2ローター化」すればサウンドはさらに高音へ変化する!?

 試乗後、ロータリーエンジン開発担当者に話を聞いたところ、8Cは作動すると最低でも2300rpm(1分間に2300回転)になります。

 SOCが高めで加速した場合、ノーマルモードでは3000rpm程度、またチャージモードでは最大で4500rpmまで達するとのことです。

「8C」型新ロータリーエンジンは、薄型で高出力なジェネレーター、高出力モーターと同軸上に一体化することでコンパクトなレイアウトを可能としました
「8C」型新ロータリーエンジンは、薄型で高出力なジェネレーター、高出力モーターと同軸上に一体化することでコンパクトなレイアウトを可能としました

 一方でSOCが50%を切ると、充電するために8Cが作動する機会が増えます。

 ノーマルモードの場合にはSOCの45%を維持するように、8Cがかかったり、切れたりを繰り返していました。

 マツダによると、ノーマルモードでは時速40キロから50キロで8Cをかけるようにしているとのこと。

 これは住宅地での走行を念頭に、できるだけ車速が上がってから8Cをかけたいというエンジニアの思いが込められています。

 こうした時速40キロから50キロの走行では、先に紹介した高速道路におけるSOC高め/アクセル強めという車速に比べて、走行音など周辺の音が少ないため、8Cの存在感が若干増します。

 しかし音量レベルとしてはあまり気にならない印象でした。

 それがチャージモードになると、SOC 50%以下では積極的に充電することもあり、時速20キロから30キロ程度で8Cが作動します。

 こうした場合でも、最低回転数は2300rpmなのですが、周囲の音が少なく、さらに継続的に作動するため、8Cの存在感はさらに増します。

 その場合の音の印象は、「エンジンとして高いまたは低い」というより「充電設備の音」といった印象です。

 このように、8Cは走行環境によって音の印象が変わると言えるでしょう。

※ ※ ※

 マツダによると「2ローター化することで、周波数レベルとしては高めになる」とのこと。

 8CはMX-30 EVのモーター出力に対応した、発電機としての出力と搭載スペースを考慮して設計されたものです。

 将来的にモーター出力がさらに上がり、また搭載スペースについても最初から2ローターを念頭に置いた車体設計をすれば、8Cよりも高めの音のロータリーエンジン発電機になることが予想されます。

 いずれにしても、ロータリーエンジンを発電機として使うEVは、唯一無二の存在です。

 マツダが今後ブランドを維持していくためのキーファクターとなることは間違いありません。

[編集部注記:記載の一部に誤りがあったため、2023年12月1日に本文を修正しました]

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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